掲載日 : [2009-12-09] 照会数 : 10942
<歴史資料館>名古屋特別展オープン
在日100年の歴史を後世へ
多文化共生の一助にも
【愛知】「在日韓人歴史資料館」(東京都港区南麻布)開設4周年を記念しての名古屋特別展「在日100年の歴史を後世へ」が、8日から名古屋市博物館(瑞穂区瑞穂通1‐27‐1)で始まった。13日まで6日間の同展は、在日100年の生活と歴史を見つめ、多文化共生社会の実現に寄与することを目的としている。移動特別展は昨年秋の大阪展(大阪人権博物館)に続いて2回目。資料館と名古屋特別展実行委員会(委員長=梁東一民団愛知県本部団長)の共催。
今回展示されている各種資料は、在日が苦難の中にも誇りを持って歩んだ道のりを伝えるもの。大阪展の120点を上回る150点の展示パネルと、中部地方にゆかりの各種生活用具・史資料を中心に500点を展示。この中にはスペースの関係でこれまで資料館で展示できなかったものも含まれる。また愛知コーナーとして20数枚のパネル写真も展示されている。
8日のオープニングセレモニーには約70人が参加。民団中央本部の鄭進団長(資料館理事長)の代理として黄迎満議長(同副理事長)も駆けつけ、梁東一実行委員長、愛知県在住の金宰淑中央常任顧問と鄭煥麒中央顧問、姜徳相資料館館長、李泰雨駐名古屋総領事らとともにテープにはさみを入れた。
梁実行委員長は実行委を代表して、「今回の展示会を通じて先達たちの逞しく熱い人生のドラマを感じていただき、今を生きる人々の勇気とパワーになれば、これに勝る喜びはありません」と述べ、多くの人々の観覧に期待を表明した。
鄭中央団長はあいさつ(黄議長代読)で「資料館は在日100年の歴史を後世に伝えることを目的に05年11月に開設されました。今後も発展していかなければならない大切な財産です。民団は、これまでと同様に支援していきます」と強調、同時に「温かい支援と協力」を呼びかけた。
実行委では、この機会に中部地方に住む在日の各家庭に眠っている写真・生活用具・史資料が多く寄せられることを期待している。
入館料200円(大学生100円、18歳未満と70歳以上は無料)。12日午後1時からの記念セミナーでは伊藤利勝愛知大学教授(「多文化共生社会のあやうさ」〜戦前の豊橋における在日朝鮮人社会をめぐって〜)と姜徳相館長(「敗戦直後、日本の民主主義と在日」)が講演する。参加費500円。
問い合わせは名古屋特別展実行委員会(℡052・452・6431)。
(2009.12.9 民団新聞)