掲載日 : [2010-01-27] 照会数 : 8556
成人式参加なぜ増えた!? やはり同胞の絆が一番
[ 昨年を上回る33人が参加した民団京都の式典(市内のホテルで) ]
大阪・京都 民団があの手この手
同胞社会も少子化の影響か、新成人対象者が年々減少傾向にある。過疎地方では新成人を迎える準備を整えながら、直前になって中止に追い込まれるところもあった。ところが、一部地方では悪条件をものともせず前年以上の参加者を集めていた。危機感を持ってあの手この手と知恵を出し、汗をかいた主催者団体の舞台裏をのぞいてみた。
民団大阪本部(金漢翊団長)の新成人対象者は昨年が550人、今年は418人だった。ところが、参加者は昨年の82人を上回る87人。「危機感を持って早めに準備してきた」ためだ。
昨年11月には生野地域を中心とする代表的な同胞の集住地区でポスターを貼り出した。さらに対象者への個別呼びかけも封書、はがき、電話と怠りなかった。建国と金剛の両民族学校出身者には指導力を発揮してくれそうな人物を選び、同窓会開催を働きかけた。これも思った以上の効果を上げた。参加動機を見ると、「友人・知人から」「家族・親戚から」が合わせて30人を占めた。
当日は「男寺党」が伝統文化を披露した。アンケート結果を見ると、出席者の約半数が感銘を受けたと答えていた。今後、見てみたい公演でも「民族のやつ」というものが目立った。
民団京都本部(王清一団長)も参加者が昨年の18人から33人と増えた。電話での動員を担当した青年会京都本部の金佳恵組織部長は、「同胞との出会いの場を求めているのに、初めての参加で不安。ほんの少し背中を押してあげただけ」と話している。
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ジャンボリー参加者も
会場に足を運んで同胞の仲間と出会えば、参加前の不安は一気に解消した。
民団栃木(金一雄団長)の主催した成人式会場では初めて出会う仲間同士、うち解けた様子でメールアドレスを交換する光景が見られた。「(日本の成人式と)なにか違う。気を許してなんでも話せる」とリラックスした表情。このなかには民団が01年から開催しているオリニ・ソウルジャンボリーの参加者も2人。2人ともチマ・チョゴリを着るのを楽しみに参加したという。
このジャンボリー参加者は、民団三重(申載永団長)や民団愛知(梁東一団長)、民団山梨(鄭郁団長)などでも確認できた。
民団三重の韓久事務局長は「民団がまいた種がようやく芽を出してきたなと感じる」と喜んでいる。民団神奈川本部の李相哲文教部長も「来年以降は民団のオリニ事業の成果がさらにはっきりする」と観測している。
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各地式典
民団千葉本部(金豊成団長)は9日、千葉市内のホテルで開いた新年会に招待、来賓を合わせ250人の参加者全員で祝った。新成人11人が参加した。衆参両院からは民主党議員7人が駆けつけた。
民団神奈川本部(李富鉄団長)は16日、神奈川韓国会館で祝賀した。新成人対象者94人のうち、11人が参加した。朴聖実さん(洗足学園音大生)は「式に参加して初めて自分は韓国人だなとあらためて実感した」と感想を語った。希望者にはチョゴリを格安でレンタルした。運営は今年から青年会が担当するようになった。
民団山梨本部(鄭郁団長)は16日、ベルクラシック甲府で式典を開催。男性と女性各2人が参加した。鄭団長は民団中央本部から託されたメッセージに添えて記念のクオカードを贈った。来賓の金賢中総領事からも「お年玉」が贈られた。引き続き新年会に移った。
民団愛知本部(梁東一団長)の成人式は青年会が主催して17日、名古屋市内のホテルで開催、28人が参加した。今年は例年になく男性の姿が目立った。参加者にはカタログギフトなどが記念品として贈られた。
民団京都本部(王清一団長)は10日、京都市内のホテルで新成人の門出を祝った。王団長は「若い感性と行動力でこれから民団をさらに発展させてほしい」と期待の言葉を述べ、新成人33人に祝賀状と記念品を贈った。
(2010.1.27 民団新聞)