掲載日 : [2010-01-27] 照会数 : 10020
MINDAN文化賞表彰式 在日の熱い思い脈打つ
[ 詩歌部門について講評する金時鐘審査委員(詩人) ]
新世代の活躍期待
論文・詩歌・写真・孝道 受賞者54人を激励
在日に関連する研究論文、韓国の時調や日本の短歌などの詩歌、心温まる親孝行を題材にしたエッセイなど、アマチュアの人を対象に文化・創作活動を奨励するとともに、在日にまつわる古い写真の発掘などを通じて在日の歴史を現在から未来に継承することを目的とした「第3回MINDAN文化賞」(主催・民団中央本部、主管・中央民族教育委員会、後援・駐日韓国大使館)の表彰式が23日、韓国中央会館(東京・港区)で約150人が参加して行われた。受賞者は論文、詩歌、写真、孝道の4部門で計54人。
鄭進民団中央本部団長は主催者あいさつ(呉公太副団長代読)で、受賞者を祝うと同時に「応募作は798人による1189点で、過去最高になった」と紹介。「私たちはさらに文芸活動を広め、内実を深めていく使命がある」と述べるとともに「次代を担う3世、4世が、語り尽くせなかった祖父母や両親の思いをも汲みながら、文芸活動を通じた同胞社会の活性化に大いに奮起してくれることを期待する」と要望、激励した。
写真、詩歌、論文、孝道部門の順で各賞が授与された。写真について呉徳洙審査委員(映画監督)、詩歌について金時鐘審査委員(詩人)、論文部門については朴一審査委員(大阪市立大学大学院教授)がそれぞれ講評。「どれも解放前後の在日の貴重な写真だった」「毎回応募作を読むのが楽しい。詩には同胞固有の優しさが包まれている」「これからは論文だけにこだわらずオピニオン(評論)なども審査の対象にしたらどうか」などの評価や提言がなされた。
受賞者らは「これを契機によりいっそう民団活動に励みたい」(写真部門優秀賞の林健太さん)、「句は在日をも含む南北離散家族が一日も早く会えるようにと願いつくった」(詩歌部門俳句大学・社会人の部優秀賞の金栄子さん)、「このような賞をもらえると思っていなかったのですごくうれしい」(詩歌部門三行詩小・中・高校生の部優秀賞の多田朱伽さん)、「韓日交流はさらに活発となり、東アジアという地域的フレームからみる韓日関係史の視点が大事」(論文部門優秀賞の李慶勳さん)、「春に韓国の大学に留学します。一生懸命勉強してアボジ、オモニにこれまでできなかった孝行をしたい」(孝道部門駐日大使特別賞の金高子さん)とそれぞれの思いや喜び、抱負などを述べた。
中央民族教育委員会を代表して李秀夫委員長は総評と閉会辞で、「寄せられた多くの作品には在日の優しさというか慈しみのこころがあふれている。また熱い思いが伝わる」と強調。「在日の文化事業振興の一環としての文化賞がずっと続けられ、さらに多くの作品が寄せられるように、皆さんと共に頑張っていきたい」と表明した。
駐日大使特別賞は郭在淳参事官から伝達された。会場では「2009年度受賞作品集‐語り継ごう『在日』を」が配られた。
(2010.1.27 民団新聞)