掲載日 : [2010-04-14] 照会数 : 5908
広島総領事館に建物提供 金孝烈さん
[ 移転した広島総領事館の入り口 ]
[ 金孝烈さん ]
ビジネスホテル改築
定着願い賃料安価で
【広島】駐広島総領事館(許徳行総領事)が南区東荒神町に移り、業務をスタートさせてから間もなく1カ月が経過しようとしている。総領事館を訪れる人たちからは、遠くからでも真っ先に太極旗が目に入るようになり、「とても明るく便利になった」と喜ばれている。
この建物は在日同胞の金孝烈さん(77、民団広島本部顧問・広島韓商名誉顧問、遊技場経営)がいくつかの売却物件の中から駅前のビジネスホテルを選んで改築を施し、安価な賃料で提供したもの。南区に移る前は、中区袋町の雑居ビルに入居していたが、当時は近隣に駐車場施設がなく、総領事館を訪れる人たちから「場所がわかりにくい」との声が上がっていた。
全国に9つある総領事館のうち、広島だけが現在、唯一の賃貸物件。金さんは、「一国を代表する総領事館が間借り物件となれば、いつ撤退されてもおかしくない。そうなれば、地元だけでなくわれわれ在日同胞にとっても大きな損失となる。総領事館が広島の地でしっかり定着してほしかった」と話している。
現在の総領事館は白を基調にした5階建て。敷地150坪、建坪420坪。1階がエレベーターフロア、2階が業務窓口となっている。ロビーも広くとり、ゆったりとくつろげるソファーや読書コーナーも設置されている。3階は総領事・領事室。
許総領事は「いい建物を提供してくれた」と金さんへの感謝の言葉とともに、「将来は国有化に向けた準備を進めていきたい」と話していた。
広島総領事館は広島、山口、島根、愛媛、高知の5県を管轄地区としている。96年5月に下関市から広島に移転した。
(2010.4.14 民団新聞)