全国からの援助に感謝
【岩手】東日本大震災から2カ月。激甚地区民団では初めて岩手本部(金盛義団長)が10日、同韓国会館で第17回定期総会を開いた。当初は3月24日の開催予定だったが、団員の被害状況の確認と支援活動に追われ、無期延期してきた。総会では中央本部をはじめ全国各地民団および傘下団体からの支援に感謝を表明するとともに、これからも長期的に支援活動に取り組んでいくとの決意を新たにした。
冒頭、金団長は「被災者が平穏な日常生活を取り戻すその日まで、支援活動に取り組む」と長期戦を覚悟した決意を表明した。
この日が3回目の被災地入りとなった被災者支援民団中央対策本部長の鄭進中央団長も「災害地域の同胞を全力で助けよう」と激励した。
被災者支援民団岩手対策本部(金盛義本部長)によれば、県内では団員の人命被害こそなかったものの、釜石、大船渡、宮古、山田町、そのほかで24人が家屋や店舗合わせて48棟を被災している。
同本部ではいち早く被災者支援に乗りだし、民団中央対策本部や駐仙台総領事館などからの協力も得て炊き出し活動を4回行い、6カ所9避難所暮らしを余儀なくされている1600人以上の被災者にトックや、親子丼、豚汁などを届けてきた。
総会にはお礼を述べたいと、被災同胞も出席した。
釜石市で津波の被害にあい、家を失った文春光さんは総会の席で、「民団からのおにぎりやカップラーメン、毛布などの救援物資がどこよりもいちばん早く避難所に届いた。ほんとうにありがたかった」と述べた。
山田町で被災しいまは盛岡市内の兄宅に身を寄せている朴夏博さんは「民団がこんなに温かいものだったとは」と声を詰まらせた。朴さんが岩手の韓国会館に足を運んだのはこれが初めてだったという。
最後に、「これからも引き続き復旧、復興に向けた支援活動を続けていく」とのアピール文を第17回定期総会の名前で採択した。
総会では10年度の活動報告と決算、11年度の活動方針、予算案なども採択した。
今後、岩手に続き、宮城、福島の各民団でも今月中に地方委員会、大会の開催を予定している。
(2011.5.11 民団)