去る3月に他界した故朴炳憲常任顧問の自伝「私の歩んだ道」(新幹社、2500円+税)が発刊された。
本書は植民地下の朝鮮で生まれ、12歳で日本に渡って来た在日1世の壮烈な一代記であると同時に、韓国民団の誕生やその前身である朝鮮建国促進青年同盟創立に身を投じ、と対立する在日本朝鮮人連盟との闘争などが生々しく語られている。
82年の人生で最初に重大決意を迫られたのが、韓国戦争の勃発だった。同胞の学友とともに学徒義勇軍として戦火に飛び込み、祖国防衛に尽くした。当事者の思いをたどることで、今日の平和と繁栄をかみ締めることができる。
2度目の重大決断だった民団中央本部の団長就任を契機に、80年代最大の懸案だった外国人登録法の指紋押捺、常時携帯制度撤廃の闘いを牽引する。自身が編み出した指紋留保によって、同胞社会は撤廃をもたらした。88ソウル五輪の成功を導いた500億ウォンを超える在日あげての募金運動も特筆に価する。
韓日現代史とも言える自伝出版会が6月25日15時から民団中央会館8階ホールで開かれる。問い合わせは組織局へ。電話03-3454-4617。
(2011.6.21 民団新聞)