■種目ふえ熾烈な争い…選手団は200人規模
在日本大韓体育会(朴安淳会長)は、10月6日から京畿道(高陽市とその一円)で開催される第92回全国体育大会(韓国国体)に200人規模の在日同胞選手団(金漢翊引率団長)を派遣する。今年からテコンドが海外同胞の部に新種目として加わり、メダル争いはますます熾烈になりそう。昨年、4年ぶりに海外同胞の部の総合優勝を奪回した在日同胞は、連覇をめざし、実力派選手発掘に全力を注いでいる。
▼3度目の京畿道
京畿道の単独開催は64年、89年に続き22年ぶり3度目。
韓国国体は、各市・道の厳しい予選を勝ち抜いた韓国内の地域代表選手と、17カ国の海外同胞選手が出場する、韓国国内大会としては最大規模のスポーツイベントで、91年の歴史を誇る。
国家代表選手も含めた韓国内トップ選手と海外同胞選手が技を競い、交流を深めあう場でもある。さらに、在日同胞選手にとって韓国人としての意識を育み高める場であり、韓国代表に選抜されるチャンスでもある。
▼輝かしい戦歴
韓国国体は、植民地時代の1920年7月に朝鮮体育会(現大韓体育会)が創立を記念して開いた「全朝鮮野球大会」から始まった。
韓国での国体に、在日同胞がはじめて出場したのは1953年から。当時はサッカーの単独チームで、選手と役員合わせてわずか25人。以来58年間、在日本大韓体育会では毎年、在日同胞選手団を派遣してきた。
国籍の壁で日本の国体に出場できなかった在日同胞スポーツマンが、母国の舞台でその力を発揮し数多くのメダルを獲得。オリンピックをはじめ各種国際スポーツ大会に韓国代表として選ばれ、優秀な成績を残してきた。
▼昨年はメダル17
昨年から韓国国体でもオリンピック形式の順位争いに変わった。国内・海外同胞ともに、ポイント制からメダル総数制となった。
このため金メダルをもっとも多く獲得したチームが総合優勝となり、種目数(メダル数)が多い、ボウリング、テニス、卓球、ゴルフなどの成績が勝敗を大きく左右する。
在日同胞は昨年の慶南大会(金昭夫引率団長)海外同胞の部でサッカー、ゴルフ、ボウリング、テニス、卓球やスカッシュなどで金メダル8個を量産したほか、銀3、銅6の合わせて17個のメダルを獲得し、総合優勝を飾った。
▼新たにテコンド
注目すべきは、今年から、男女それぞれ4階級のテコンドが新たに海外同胞種目として加わったことだ。
昨年、2位の在米同胞は金6、銀4、銅7の計17個とメダル総数は在日同胞と同数だった。
ここに、在米同胞が得意とするテコンドが加わったことにより、金メダル数の争いは熾烈になることが予想される。このため、連覇を狙う在日同胞はこれまで得意としてきたサッカー、テニス、ゴルフ、卓球、ボウリングでの金メダル量産が欠かせなくなった。今年は金メダル10個以上が総合優勝ラインと見られる。
(2011.7.13 民団新聞)