掲載日 : [2003-07-30] 照会数 : 2217
<兵庫版>高齢・障害同胞給付金支給 県・市も前向き対応(03.7.30)
民団の要請を受けて…秋には〞日本市民と同等〟へ
民団兵庫県本部の白永熙団長、方宗進議長、金清吉監察委員長と尹達世事務局長は6月6日、矢田立郎神戸市長を表敬訪問した席上、懸案の神戸市内居住の無年金同胞高齢者に対する給付金の早急な増額を要請した。これに対し矢田市長は、検討を約束した。
神戸市はこれまで、同胞高齢者に月額1万5000円、障害者に4万1000円の給付を実施してきたが、民団ではそれぞれ日本人と同等の給付額を要請していた。
また17日には、井戸敏三県知事を表敬訪問した。西田国際交流局長、中島福祉局長など担当部局関係者が同席した中、県としての給付金が来年度には必ず増額されるよう強く要請した。これに対し井戸知事も好意的な回答をした。
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広がる高齢同胞への福祉
西宮、阪神支 部で相次ぎ開始
民団阪神支部(厳昌燮団長)でも管内(神戸市灘区・東灘区・芦屋市の約1000世帯)の高齢者に対して月一回の高齢者給食サービス『ウリチプ』を6月26日から開始した。
同支部管内に居住する65歳以上の高齢者は350余人にものぼる。同日の給食サービスには20数人のハラボジ、ハルモニが支部会館を訪れた。待ち受けた支部役職員、婦人会のほか神戸大学のボランティア学生が手づくりのチヂミ、イカフェ、大根のスープなどの韓国料理を用意して歓迎した。参加したハルモニらは「この歳で楽しみがひとつ増えた。友達にも会えて嬉しい」と友人との昔話に花を咲かせていた。食後には歌や軽い運動などして楽しいひとときを過ごした。
この給食サービスを準備した高龍弘組織課長は「1世たちに、気軽に支部に足を運んでもらうのにはどうしたらいいかを支部役職員と相談し、1年前から準備してきた」といい、厳団長も「1世のお年寄りたちに感謝の意も込めて、少しでも楽しんでもらえたら」と今回の活動をスタートさせた目的を話した。
地域の日本のお年寄りを含めての給食サービスとあって、神戸市からも助成金が給付された。同支部のサービスは毎月1回、第4木曜日11時半から14時まで。参加費は300円。
一方、西宮支部(鄭甲一支団長)の「高齢者憩いの場」は、01年の10月にスタートを切り、この間17回の場を設けてきた。まだ広く認知されていなかったスタート当初は参加人数も少なかったが、最近ではすっかり定着してコンスタントに30人弱が集う。
鄭支団長と支部スタッフ、ボランティア全員で1世たちの舌に合う韓国料理づくりを担当する。ナムルやキムチ、ピビンパをほおばりながら、笑顔で孫自慢や昔話に花が咲く。
日本の老人会に足を運んだことがある1世のお年寄りから「どうも溶け込めない。私らだけで集まれるところを作ってほしい」という声を聞いたのがきっかけだった。手探りで始めた会も、すっかり定着し、「ありがとうな、また来るで」の声が最高の褒美だという。
(2003.7.30 民団新聞)