掲載日 : [2003-09-03] 照会数 : 5464
朝鮮総連の抗議に民団中央が見解発表(03.9.3)
北韓核開発阻止・日本人拉致解決
総連に再度呼びかけ
民団の光復節中央記念式典で金宰淑中央本部団長が行った慶祝辞と決議文に対し、8月21日に総連中央代表者が民団中央を訪れ口頭で抗議した内容について民団中央本部は2日、総連の抗議に対する見解を明らかにした。(全文別掲)
総連の抗議は、団長慶祝辞を「共和国を強く誹謗し、総連に難くせをつけ」「共和国の最高領導者の権威」を損ねたなどと批判し、「直ちに是正」すると同時に、「決議文を直ちに撤回」しろ、というもの。機関紙である朝鮮新報(25日付)に関連記事を掲載した。
これに対し民団は見解を通じて、慶祝辞は「在日同胞を真に代表する組織である民団としての基本的な立場を表明したもの」とし、同じ在日同胞の立場から改めて北韓の核開発の阻止と拉致問題の一日も早い解決、在日同胞の脱北者問題に対しともに立ち上がることを求めている。
北韓の核開発について総連は、今日の危機的な状況の根本原因を作ったのは米国ブッシュ政権だと、北韓の核開発を正当化しようとしている。
民団の見解は「緊張を高める原因を作っているのはまさに北韓自身である」ことを認識すべきだと指摘し、「他者に責任を転嫁すべきではない」と厳しく総連の主張に反論している。
総連は日本人拉致について、「840万人の朝鮮人拉致、強制連行」云々と、拉致行為が明らかに理不尽な犯罪行為であるにもかかわらず、論理を摩り替えようとしている。
民団は総連の主張に対し、「いかなる名目であろうが北韓という国家が他の主権国家の国民である日本人を拉致したという事実」は、明白な主権侵害であり、言い訳の余地のない国家的犯罪行為なのだと厳しく指摘した。
元在日同胞の脱北者に対して総連は、「共和国で罪を犯したり」「反共和国、反総連騒動の手先に成り下がった者」と、元在日同胞脱北者を冒涜するかの表現で彼らを非難している。
民団中央は見解で、彼らを北韓の地に送り込んだ責任と同胞の生命と安全を守るべき立場から、本団とともに支援に立ち上がることを求た。
民団の見解は最後に、日本社会のいわゆる「右傾化」と排外主義的な風潮に触れ、「これに口実を与えているのが北韓の核開発であり、拉致問題である」とし、総連に対し真に民族的、全在日同胞的な立場に立ち、光復節での団長慶祝辞における呼びかけに応じるよう訴えた。
(2003.09.03 民団新聞)