民団中央本部主催の「第7回MINDAN文化賞」に入賞した56人の表彰式が14日、東京・港区南麻布の韓国中央会館で行われた。在日の文化事業振興の一環として、文化・創作活動を奨励すると同時に在日の可能性と方向性を見つめることを目的に2007年に設けられたMINDAN文化賞は、論文・論壇、詩歌、写真、孝道部門に今年から絵画とウリマル(ハングル)普及部門を新設して6部門となった。
呉公太中央団長はあいさつで、受賞者を祝うと同時に「『語り継ごう在日を!』で始まった本事業は、今まさに在日同胞社会の文化創造へと始動したと実感しています。私たちの役目は、何を伝え何を教えなければならないのかを、しっかりと見極めなければならないということです」と表明。「皆さん、ともにまい進していきましょう。そして、次世代たちの無限な可能性を開化できる、そのような社会を創っていきましょう」と要望、激励した。
「論文・論壇部門」では新韓銀行を事例に、在日同胞金融機関(旧関西興銀)の経営システムが韓国の金融業に移転・普及していったプロセスを実証的に考察した梁京姫さん(立命館大学言語教育センター嘱託講師)の「在日コリアン民族系金融機関における経営方式の韓国移転に関する一考察」が優秀賞に選ばれた。
審査員の朴一・大阪市立大学教授は「在日同胞の企業や企業家が本国経済の近代化に大きく貢献してきたことを証明するものであり、在日企業人の功績を歴史に刻む作業」と高く評価した。
梁さんは留学生として来日して今年で14年目。「これからも在日のことを調べ、韓国に伝えていきたい」と述べた。同じく奨励賞は早稲田大学大学院経済研究科研究生の李光宰さん(「在日企業の日本経済への貢献‐草家(株)を事例に」)が受賞した。
「孝道部門」では、崔唯衣さん(京都国際学園中学1年)の「『生きる』ということ」が最優秀賞(駐日大使特別賞)に選ばれた。新設の「絵画部門」では、韓服を着た3人の兄弟が満面の笑みを浮かべて美味しそうにビビンパをほおばっているキム・ジオンさん(東京韓学初等部4年)の「韓食」が「最優秀賞」に輝いた。水彩画の上に糸、折り紙、紙粘土などを載せ、コラージュ風に仕上げた作風が「力強さを感じた」(審査員、李和枝東京韓学教諭・元教頭)と評価された。
民団の「ウリマル普及使用勧奨運動」のキャッチフレーズとなるウリマル普及部門では、朴聖恩さん(兵庫県立芦屋国際中等教育学校・高校1年)の作品「ハングルの愛、国の愛、民族教育 同胞の愛」が選ばれた。
(2013.12.25 民団新聞)