民団中央本部・東京本部の合同による2014年新年会が9日、都内のホテルで開かれ、首都圏をはじめ全国主要本部の幹部や韓日両国の国会議員、友好団体代表を含め600人が参加した。参加者は、冷え込んだままの韓日関係に強い危機感を抱き、来年の国交正常化50周年に向け、早期の関係修復と未来志向の新たな関係の構築へ両国双方の積極的な歩み寄りが緊要との思いを新たにした。そのために、民団を中心に民間レベルでも韓日関係の正常化に最善を尽くすことを確認するとともに、18年平昌冬季五輪・20年東京五輪の成功へ在日同胞を含め韓国と日本が力を合わせることを誓い合った。
「国交50周年成功裏に」
平昌・東京五輪で協力誓う
中央本部の呉公太団長は開会のあいさつで、「来年の韓日国交50周年を目前にした今年は、懸案の韓日関係改善が大きく前進する年にしなければならない」と呼びかけ、「日本に生活基盤を置く私たちには、韓日友好親善が最も重要な一つであり、私たちの子どもたちには切実な現実問題です。すべての力を合わせ、何よりもまず韓日関係改善という大きな課題を解決しなければならない」と強調した。
昨年度の流行語大賞ベスト10の中に、「ヘイトスピーチ」が入ったことについて呉団長は、「韓日間の冷えた関係を象徴するもので、両国民にとってこれほど不名誉なことはない」とし、「一衣帯水の両国が文字通り『近くて近い国』になるよう、日本側来賓の皆さまには友好親善活動による相互理解造成をリードしていただきたい」と表明。さらに、平昌冬季五輪と東京五輪の成功へ在日同胞を含め韓国と日本が力を合わせることを呼びかけた。
同時に「市民レベルで両国の懸け橋の役割を果たしている私たち在日韓国人に対して、地方参政権付与を一日も早く実現するようご尽力をお願いしたい」とあらためて要望した。
李丙駐日大使は、「国民の生活に活力と希望があふれるよう最善を尽くす」ことを強調した朴槿恵大統領の新年辞を代読した。
朴大統領は、「昨年は多くの困難があったが、国民の皆さんの信頼により、それらに打ち勝つことができた。新年には景気回復の火種を必ずや生かし、経済を活性化し民生を安定させるために、国家的力量を集中させていく」と約束した。
さらに「国家経済を生かすための前提条件であり、最も重要なことは、国家の安全保障と国民の幸福をまもることだ」とし、「北韓の挑発の可能性に備え、隙のない安保態勢と危機管理体制を確固にし、韓半島の平和をより積極的に築きつつ、平和統一のための基盤を構築していく」と強調した。
また、朴大統領は「かつて私たちの社会の至る所にあった非正常的な慣行を本来のかたちへ戻す、正常化改革も着実に推進していく」と誓った。
日本側来賓として額賀福志郎・日韓議員連盟会長(自民党衆議院議員)をはじめ、魚住裕一郎・公明党参議院議員会長、高木義明・民主党代表代行、市田忠義・日本共産党書記局長、福島みずほ・社民党副党首が祝辞を述べた。太田昭宏国土交通相(公明党)も駆けつけあいさつした。
首脳会談環境造成急ぐ…日本側来賓
日本・民団と協働強化…韓国側来賓
韓日双方での新政権発足後1年近くにもなるのに、首脳会談がまだ一度も開かれないほど厳しい状況にある韓日関係について、各党代表らは「両国関係の改善と発展のために全力を尽くす」「正常化へ尽力することが我々の課題。全力投球をして両国首脳会談が開催される環境をつくりたい」などと強調。来年が国交正常化50周年であることを指摘するとともに平昌冬季五輪と東京五輪の成功へ両国の協力が重要とし、「懸け橋の役割」を果たしている民団への期待をあらためて表明した。
また、永住外国人への地方参政権付与問題についても、魚住公明党参議院議員会長、市田日本共産党書記局長、福島社民党副党首らは、その実現のために尽力することを約束した。
韓国側来賓は金泰煥・韓日議員連盟会長代行が黄祐呂会長(セヌリ党代表)の祝辞を代読したのに続き金守漢・韓日親善協会中央会会長があいさつした。両来賓はともに、民団を中心とした在日同胞の祖国発展への変わらない声援と支援、および韓日友好関係の強化・発展のための協力と支援に感謝を述べた。同時に、現在の韓日関係に強い危機感を表明し、早期の関係正常化に向けて、日本側関係者および民団と一緒に尽力することを明らかにした。
(2014.1.15 民団新聞)