同胞が設立…課題は子育てと教育
【宮城】石巻市には韓国をはじめ中国や台湾、フィリピンなどアジア各国から嫁いでくる外国人妻が少なくない。現在、その数は約700人。金妙鮮さん(49)もそのひとりだ。15年前、大邱から来日した。知り合いもほとんどいないなか、いちばん困ったのが言葉だった。
「私と同じ思いをしている外国人妻たちのためにアシストしたい。民間の語学教室に通う余裕などない彼女たちに何とか無償で日本語を習わせ、生活環境が違う地域の風習も教えなければ」と09年にNPO法人「国際支援地球村」を立ち上げ、自ら理事長に就任した。
語学教室だけでなく、生活風習や役所の各種手続き方法など生活情報をレクチャーするほか、日常生活での悩みにも答える「外国人相談窓口」も開いている。
口コミで地域に住む外国人妻たちに広がり、現在、「地球村」の日本語教室に通う外国人妻たちは韓国20人、中国・台湾15人を中心にフィリピンなど約40人ほど。渡日歴4〜7年が多く、ほとんどが水産などの地場産業に従事している。
東日本大震災に遭遇してからは仮設住宅に赴き、炊き出しや無料マッサージのほか、在宅避難者のためのボランティアも展開した。
在宅避難者の多くは独り暮らしの高齢者。韓国で「老人亭」といわれる、いわば老人クラブのような場を設けた。被災地の公民館などを活用し、韓国や中国などのアジア料理提供、カラオケ、軽運動のほか、痴呆防止の工芸品作りなど、週4回1年間継続した。
異国での生活に慣れた彼女たちが悩んでいるのは子育てと教育。金さんが、最もやりたいことは、こんな子どもたちの補助学習活動、いわば「寺子屋」だ。会員は40人ほど。もう少し資金に余裕ができれば、彼女たちの子が自由に学べる学習の場を設けたいですねと話す。現在も賛助会員を呼びかけ続けている。
一般会員は年3000円。法人は5000円。連絡先はTEL0225・90・3033。
(2014.3.26 民団新聞)