沈没犠牲者への哀悼切々
民団中央本部は、全羅南道珍島沖で発生した旅客船セウォル号沈没惨事による犠牲者の冥福と行方不明者が一日も早く家族のもとに帰るよう祈り、4月25日に東京都港区南麻布の韓国中央会館1階ロビーに献花台とポストイット・ボードを設けた。最初に献花したのは東京韓国学校高等部の生徒代表。李丙駐日大使、民団中央本部の呉公太団長、韓在銀監察委員長、中央会館内団体の役職員らが続いた。献花台は、平日午前9時から午後5時まで一般に開放されている。
安倍首相・政党代表らも
追悼献花台を設けたことについて、呉団長は「献花や募金をしたいという在日同胞や日本人からの問い合わせが多くあった」とし、「見守るだけではすまない。日本でも犠牲者を追悼できる場が必要だ」と強調した。
28日には、安倍晋三首相をはじめ岸田文雄外相、菅義偉官房長官らが相次いで訪れ、李大使の案内で記帳、献花した。安倍首相は献花後、首相官邸で「多くの方々が犠牲になった。本当に心の痛む思いだ。ご冥福をお祈りする」と述べた。これに先立つ25日に鳩山由紀夫元首相が献花した。
安倍首相や日本の閣僚らの訪問について、李大使は28日、「日本国民の慰労の言葉が韓国国民の力になっている」と謝意を表明。外交部の趙泰永報道官も29日の定例会見で謝意を示し、「犠牲者、遺族と悲しみをともにしようという日本国民の心を伝えた」と語った。
30日には海江田万里民主党代表、山口那津男公明党代表、志位和夫共産党委員長、日韓議員連盟会長の額賀福志郎元財務相、谷垣禎一法相らが相次いで訪れた。米国のケネディ駐日大使や中国の程永華駐日大使も同日、献花に訪れた。前日には古屋圭司国家公安委員長兼拉致問題担当相が訪れ、哀悼の意を表した。
また1日には赤松広隆衆議院副議長、太田昭宏国土交通相、原田稔創価学会会長、大村秀章愛知県知事らが訪れるなど、全国各界から弔問が続いている。献花台は、韓国で犠牲者の合同告別式が営まれる日まで運営される予定。
「ひとつの小さな動きが大きな奇跡を」と願い設けられたポストイット・ボードには、東京韓学高等部生徒らをはじめ、世代にかかわりなく多くの人々から哀悼の言葉が寄せられている。
なお、民団中央本部では、遺家族らへの支援の一助になればと願い募金活動を展開しており、協力したいという日本の団体、企業、個人などからの問い合わせが相次いでいる。募金箱は、韓国中央会館をはじめ、民団の各地方本部会館にも設置されている。期間は今月28日まで。
(2014.5.7 民団新聞)