【石川】民団石川本部(卞宗植団長)は韓国独立運動の英雄、梅軒・尹奉吉義士の暗葬の地であり、殉国記念碑が建つ金沢市野田山の現場で5月25日、環境美化活動を行った。
この日は80歳を超えた高齢の団員を含む15人が参加。殉国碑の亀碑石にこびりついた苔をはがし、雑草を取り除いた。これまでにも同本部職員や婦人会が折に触れて周辺環境の美化に努めてきた。団員有志による本格的な清掃はこれが初めて。
清掃は当初、6月から取り組む予定だった。ところが、金沢市の市民団体から民団に「歴史探訪で現場を訪れたいので案内を」との要請があったため、急きょ繰り上げて実施した。
掃除終了後、参加者有志は尹義士の殉国地周辺を案内・広報する専門のガイドを仲間うちで養成していくことも決めた。また、清掃活動はこれからも毎月1回継続していく。
尹義士は日本の植民地下にあった1932年4月29日、上海の虹口公園で行われていた旧日本軍による天長節兼戦勝祝賀式典会場に爆弾を投げ入れ、逮捕された。上海派遣軍の主力部隊である第9師団による軍法会議で死刑判決を受け、同年12月19日、第九師団所在の金沢で銃殺刑に処せられた。
解放後の46年、尹奉吉義士遺骸奉還団によって遺骨は本国に安葬された。殉国記念碑は民団石川本部の中心的な努力のもと、92年に暗葬地を望む高台に建立された。
(2014.6.11 民団新聞)