【神奈川】在日同胞1世、黄昌柱さん(86、元民団神奈川本部団長、民団中央本部顧問)による連載「わが人生」が2日、神奈川新聞紙上で始まった。土・日を除き、8月末まで全62回の予定だ。
第1部は京畿道と神奈川県の友好提携調印まで。黄さんは当時、民団神奈川本部副団長として双方の間を取り持った。県が89年6月、友好提携の可能性を探るために調査団の派遣を決めたときは、通訳として加わった。黄さんの貢献は県から認められ、調印成立後の90年8月に当時の長州一二知事から表彰を受けた。
第2部は黄さんの幼少時代。第3部が地元足柄下郡湯河原町で町民として果たしてきた貢献と、民間レベルでの韓日親善交流活動など。
黄さんは済州道生まれ。中学3年生で来日。苦学して関西大学を卒業した。事業家として成功してからは「自分が生活できる以外のお金は社会に還元」をモットーに、地域社会に貢献してきた。民団では湘南西部支部支団長を経て民団神奈川本部の議長、団長などを歴任。06年に地元の湯河原町から町民表彰「善行表彰」、韓国政府からも国民勲章「牡丹章」を受章した。
今回の企画に関わった神奈川新聞社横須賀支社の佐藤浩幸支社長は、「韓国と日本の間がぎくしゃくしているこういう時期だからこそ、温厚で誠実な黄さんの人柄を通じて民間交流の大切さを知ってもらえるのでは」と期待している。連載「わが人生」に在日同胞が登場したのは社会福祉法人青丘社(川崎市)の理事長だった李仁夏さん以来。
(2014.6.11 民団新聞)