同胞殉難者追悼之碑前 9月へ種まき
関東大震災から間もなく91年目を迎える。「関東大震災時韓国・朝鮮人殉難者追悼之碑」の建つ東京・墨田区内の小さな私有地で住民と関係者が14日、ほうせんか(鳳仙花)の種をまいた。
ほうせんかの開花時期は7月初めから9月末ごろとされる。この時期に種をまいたのは、震災勃発の9月1日に合わせたため。群生するチンダルレ(カラムラサキツツジ)の手前、無窮花の苗木が見下ろす日当たりのいい場所を選んでうねをつくり、一粒ずついとおしむように土をかぶせた。
住民と一緒になって汗を流した在日同胞の慎民子さんは、「花が咲いたら爪を染めます」と心待ちにしていた。「日本人も外国人もみな平等に暮らせる墨田区をめざしている」という井上ノエミ区議も作業に加わった。
ほうせんかの種まきは88年、荒川河川敷での「韓国・朝鮮人犠牲者追悼式」で在日同胞の卞記子さんが初めて提案した。その後、無窮花の植樹も試みたが、最終的に河川敷を管轄する国土交通省の理解を得られずに撤去。追悼碑が建立された09年からはこの小さな庭で毎年、追悼の花を咲かせている。
(2014.6.25 民団新聞)