組織変革の原動力に
民団の後継者、次世代活動者の養成と連帯を強化するための「全国40〜50代後継者ワークショップ」が21、22の両日、東京都内のホテルで、地方本部・支部、婦人会、青年会OB、青年商工会、体育会、韓人会などの組織幹部、計160人が参加して開催された。「同胞社会の活性化に向けて‐各組織の提言」および「提言に対する意見交換」に続き、パネル討論「同胞社会の活性化のために」と「在日社会の統合と組織後継者育成のために」をテーマにした全体討論などが活発に行われた。参加者は、在日同胞社会および民団組織の現状を厳しく見つめ、民団組織の再生および後継者育成への決意を新たにするとともに、同胞社会の統合へ韓人会など新定住者との友好・協力関係構築に積極的に取り組むことを確認した。
韓人会幹部も参加…在日統合へ協力推進
呉公太中央団長は、1日目の河政男事務総長による基調報告の後の特講「40〜50代に期待する」で「全国各地の支部を巡回しながら、『このままではだめだ。なんとかしなければならない』ということを改めて痛感した。最も大事なことは、団員のために何ができるかだ。多くの人が集まる場所をつくりたい」と強調。「民団は再来年に創団70周年を迎える。今、大きな曲がり角、変革の時期に来ている。40代、50代の皆さんが民団を変えていく原動力になってほしい」と呼びかけた。
「同胞社会の活性化に向けて‐各組織の提言」では鄭弘・民団大阪本部副議長が「近隣組織と合同行事の推進を通じた活性化へ」、柳栄暁・民団東京大田支部組織課長が「オリニ民族教育こそ次世代育成の根幹」、沈勝義・青年会OB会会長(民団広島本部団長)が「民団組織への積極参与めざす」、李玉順・在日本韓国人連合会会長が「新しい韓人社会を共に開こう」と題して提言した。
ワークショップには新定住者の団体である韓人会からも東京、神奈川、宮城のメンバー13人が参加。李会長はヘイトスピーチ問題を一例に、「先輩の民団は韓日政府に提言できる力量と能力を持っている。これまで培ってきた民団の力と私たち若い韓人会の力を一つにし、この問題を打破すれば、新しい在日同胞社会が開かれる」と呼びかけた。
これらの提言に対して金昭夫中央副団長の進行で行われた意見交換では、1,在日同胞社会の変化に対応するために次世代育成とオリニ民族教育が最重要2,青年会卒会者を民団につなげるためのルートや土壌づくりなどさまざまな工夫が必要3,ヘイトスピーチは次世代の子どもたちの心にも大きな傷を与えるので真剣に対処しなければならない‐との声が相次いだ。
2日目には、孫正義ソフトバンクグループ創業者の自身の生い立ちについて語ったVTRの上映、金哲彦・スポーツ解説者(元陸上競技選手)の講演「在日同胞社会に期待すること」の後に、呉英義民団中央副団長をコーディネーターにパネル討論「同胞社会の活性化のために」が行われた。
李純午・民団宮城本部副団長、李豊宏・体育会中北会長、孫泰欽・民団岡山本部事務局長、洪聖協・韓人会グローバルリーダー育成委員長をパネリストとしたこの討論では1,同胞社会のあるべき姿、10年・15年後の民団の将来像2,民団の現状と問題点3,同胞組織の統合を視野に入れた民団と新定住者組織とのあり方‐を中心に論議された。
パネリストらは、「民団の積極的な自己変革が不可欠だ」「同胞の多様化に対応してさまざまな人たちの声を聞き、門戸を大きく開いていくべきだ」「新定住者との交流は地域により異なるが、もっとお互いに理解して協力を推進すべきだ」「同胞が感動するものをつくり提供することが求められている」と強調した。会場との意見交換では「民団のビジョンを中央から地方本部、支部さらに一般団員へとしっかりと伝えてほしい」との要望も。
呉中央団長の進行による「在日社会の統合と組織後継者育成」をテーマにした全体討論では、青年会卒会者の民団参加、子育て世代の民団・婦人会参加、韓人会との統合問題などが主に論議された。
呉中央団長は「40代・50代の皆さんの横のネットワークをしっかりつくってほしい。それが中核となり民団を動かしていく」と改めて強調した。
(2014.6.25 民団新聞)