安成鎬氏
自治会副会長を歴任…地域住民にも周知
【千葉】安成鎬さん(88、民団長夷支部常任顧問)は太極旗を額縁に入れて自宅の応接間に飾っている。毎朝、太極旗に見守られながら体操をするのが健康の秘訣だ。
応接間は玄関と直結している。地域の副自治会長も務めた安さん宅は住民の出入りもひんぱん。初めのうちこそは「偉いねー」と感心していたが、いまは慣れっこのようだ。安さんは「みんな知っているよ」とこともなげ。
一方、在日同胞には驚きだったようだ。郭徳久さん(民団千葉支部副団長)もその1人。3年前、民団の保険事業で安さん宅を訪問して初めて目にした。郭さんは「私の自宅にもあるが、押し入れから取り出すのは、サッカーの試合のときぐらい。家で掲げたことなんてない。ほほえましかった」と話す。
太極旗はちょうど額縁に入るサイズ。民団長夷支部の再建に尽力、67年に念願がかなったときに掲げた。それから約半世紀が経過したことになる。郭さんは「田舎に住んでいるからこそ、韓国人としての誇りを強く意識するようになったのではないか」と語る。
徴用されて渡日。解放後は朝鮮建国促進青年同盟の結成に参加。民団千葉の大網支部や長夷支部の結成にも尽力した。民団千葉県本部に農楽隊が組織されると、初代の隊長を務めた。
(2014.7.16 民団新聞)