掲載日 : [2003-10-29] 照会数 : 4839
10周年の東京韓学「土曜学校」 過去最高の363人(03.10.29)
[ 在日同胞子弟を中心とするクラスで ]
在日同胞子弟は伸び悩む
東京韓国学校に開設された「土曜学校」が11月で満10周年を迎える。在籍生徒数は93年度の90人から年度毎に漸増を続けており、03年度は10クラス編制363人と過去最高を記録した。ただし、在日同胞子弟に限れば在籍数でこの間、伸び悩みを続けている。
現在の学級編成は幼稚園2クラス、初等部が1年生から6年生まで学年別に8クラスで編制。各クラス毎に担任と補助の2人の教員がつく。しかも東京韓学の充実した教育設備を活用できるのも他の「土曜学校」にはない特徴だ。
毎週土曜日午後、2時間にわたってウリマルを学び、民俗ノリなどを楽しんでいる。また、付き添いの父母にも希望者には韓国語、英会話、舞踊、パソコンの各教室を用意している。
民団東京本部が後援。スタート当初の93年度は90人が在籍、47人が修了した。94年度から00年度までは前・後期に分けて実施。95年度後期に124人と初めて100人の大台を超え、01年度に214人、02年度は333人に達した。
02年度までの累計在籍数は2364人。このうち1458人が所定の出席数を上回り、「修了証」を手にした。
今年度は363人が在籍しているうち永住・定住者は158人。日本国籍者と一時滞在者の子弟が各85人で、残りは二重国籍。
永住・特別永住者の占める割合は01年度の115人よりも増えているが、これは本国から日本に移り住んだ同胞の子弟が多く含まれているためだ。本来の在日同胞子弟の割合は不明だが、在籍者全体の1、2割ほどではないかと指摘する学校関係者もいる。
開設当初、東京韓学で「土曜学校」の教務と学生募集を担当した洪性豪前教頭は「韓国で生まれた親の子と在日同胞の子弟が『土曜学校』を通じて直接、肌と肌の文化交流をするのは大きな意味がある。しかし、日本の学校に通う在日同胞子弟に民族教育の機会を提供するという『土曜学校』本来の趣旨からすれば生徒数が増えたからといって素直に喜べない」と話している。
東京韓学では入学志願者が増えても予算の関係上、これ以上はクラスを増やせないという。となれば、今後は限られた受け入れ枠内で在日同胞子弟と本国子弟とのバランス調整を図っていくことが課題といえそうだ。
(2003.10.29 民団新聞)