掲載日 : [2003-11-10] 照会数 : 4895
京都韓学・一条校認可12月にも(03.11.12)
[ 民族教育56年の歴史を誇る京都韓国学園 ]
国際理解教育柱に…民族教科は現行維持
【京都】文部科学省の規定する学校教育法上の学校(一条校)を目指している京都韓国学園に対して、京都府は9月24日付で「内諾」した。12月には正式な認可がおりる見通し。校名は「京都国際学園」に変わるが、民族教科のカリキュラムはこれまでどおりで、大きく変化することはないとしている。
「プラスアルファに」…李虎雄校長
一条校になれば日本国からの助成金が受けられる。金額は高校生で1人あたり30万円、同じく中学生で28万円。これまでは各種学校扱いのため、京都府と京都市からの公的補助は通常の私学の約半分だった。慢性的な財政難に苦しんできた京都韓学にとっては明るい材料だ。
ただし、認可後は校名が「京都国際学園京都国際中学校・高等学校」というグローバルなものに変わる。学校側によれば、これまでの韓国学園の歴史を踏まえつつも韓国系の国際学校としての位置づけを全面に出していきたいという。具体的には日本人生徒の入学も増えていくと見られることから「国際理解教育」と「人権教育」「個性育成教育」を今後の教育の柱としていく方針だ。
中学での民族教科(韓国語・地歴・「在韓史」)は総合学習の時間に組み込む。民族楽器はHRを通して指導、韓国の歌もこれまでどおり音楽の時間に教える。高校では学校独自で設置できる特設科目に韓国語と地歴、「在韓史」を入れる。民族楽器は中学同様、総合学習の時間を通して指導していくという。この結果、民族教科の単位数に限っては中学・高校とも現行と変わらない。
李虎雄校長は「民族教育はこれまでどおり。むしろ、国際理解教育として足元が固まる。一条校として認可されれば、今後計り知れないプラスアルファがあるものと確信している」と強調している。一方、李愚京理事長は「校名変更には一抹の寂しさを覚えている。しかし、財政的にはしなければならなかった」と述べた。
京都韓国学園は89年にも一条校を目指したことがあるが、事情により中断したいきさつがある。
一条校認可に当たって最後に府が京都韓学側に課したグラウンドの拡充、備品の整備などの懸案は着々取り組みが進んでいる。
同学園は47年の開設。今日まで民族教育への取り組みで56年間の歴史を持つ。生徒数は中等科・高等科で合わせて110人。
(2003.11.12 民団新聞)