掲載日 : [2015-12-23] 照会数 : 6837
<民団中央本部>ハンセン病療養所、児童養護施設など全国23施設に慰問金
[ 多磨全生園を訪ね、慰問金を手渡す民団西東京の全實団長(左) ]
[ 民団群馬の訪問を喜ぶ金夏日さん(左、栗生楽泉園) ]
民団中央本部は歳末相互扶助運動の一環として、全国の在日同胞関連施設に慰問金を贈った。今年は国立ハンセン病療養所や児童養護施設、特別養護老人ホームなどの在日同胞関連施設23カ所が選ばれた。
歳末相互扶助活動各地で
「在日韓国人ハンセン病患者同盟」と「多磨全生園韓国・朝鮮人互助会」については、民団西東京本部(全實団長)に預託。同本部が16日、民団武蔵野支部と婦人会西東京本部の役員をともなって東京・東村山市の国立ハンセン病療養所多磨全生園を訪ね、現金を手渡した。また、民団西東京本部は、韓服姿の女性をモデルにした特製カレンダーを贈った。
同園には全体で約200人がハンセン病の後遺症や高齢化にともなうさまざまな疾患を抱えて療養生活を送っている。うち、在日同胞は21人。
全団長が一人ひとりに激励の言葉をかけると、韓国・朝鮮人互助会の代表は、「民団の人たちは私たちのことを忘れていなかった。きょうは最高にうれしい」と喜びを語った。全団長は来春、花見シーズンに再会したいと約束した。
栗生楽泉園訪問
民団群馬本部(朴旋用団長)は18日、吾妻郡草津町の国立ハンセン病療養所栗生楽泉園で余生を送る同胞4人を慰問した。
金夏日さん(88)は病気が進行し、23歳で両眼を失明。指の触感も麻痺したため、点字を舌で読む「舌読」を学び、短歌を作ってきた。居室で民団関係者4人を迎えた金さんは、「遠いところからよく訪ねてくれたね。民団には大きな恩を受けた」と感謝の言葉を口にした。
金さんが「父の遺骨を祖国に埋葬したい」と民団群馬本部に相談に訪れたのは73年ごろのこと。ハンセン病療養者が出国するのはまだ困難なときだったが、当時の団長が「私が責任を持ってパスポートを発行できるようにします」と手続きを代行してくれたという。自費出版した歌集も、半分を民団が売ってくれたと語った。
民団群馬が同園を慰問するのは歳末の恒例行事となっている。今年は金賢振常任顧問ら4人が、韓国海苔、参鶏湯、柚子茶、掛け毛布、カレンダーを持参した。
老人ホームにも
民団神奈川・相模原支部(成正幸支団長)は19日、同支部役員が2班に分かれ、市内18カ所の高齢者宅と老人ホームを慰問した。これは同支部の重点事業のひとつで、毎年欠かさず継続している。対象は80歳以上。成支団長を中心に韓国食品とカレンダー、各種パンフを持参した。
(2015.12.23 民団新聞)