掲載日 : [2003-11-26] 照会数 : 5459
北韓の実態生々しく 脱北者ら招きシンポ(03.11.26)
[ 多くの同胞や日本市民の関心をよんだ脱北者のシンポ ]
民団東京・北支部
北韓の内情に詳しい脱北者と、その脱北者を支援してきたNGO活動家をパネリストに招いてのシンポジウム「脱北者が語る北朝鮮の真実」が21日、東京・王子の北(ほく)トピアで開かれた。今年で創団50周年を記念して民団東京・北支部(柳時悦支団長)が北区日韓親善協会(金子章会長)と共催した。在日同胞と日本人市民300人が詰めかけ、高い関心を示した。
脱北者で元在日同胞の本田賢一さん(42)=仮名、元金日成社会主義青年同盟副委員長=は「帰国同胞は『在胞(チェポ)』と蔑まれるなど根無し草でしかなかった。地元民は貧しくても地域に根ざしたネットワークで生活を維持できるが、我々にはそれがなく金に頼るらざるをえなかった」と脱北に至った厳しい生活環境を振り返った。
帰国同胞の子孫、姜哲煥さん(35)=現朝鮮日報記者=は強制収容所での過酷な体験を語りながら、「自分としては帰国した同胞の約1割は強制収容所に捕らわれていると認識している」と語った。
また、北朝鮮難民救援基金事務局長の加藤博さん(58)は脱北者支援活動の現状と課題について述べた。
コーディネーターを務めた柳支団長は、最後に北韓の核開発をめぐる6カ国協議の行方について触れ、「1カ国の利害だけでなく、共同で対処していくことが重要だ」と日本の対北韓政策で自らの見解を明らかにした。
■□
創団50年祝賀会 各界人ら多数参加
シンポの後、同会場で開かれた民団北支部の創団50周年記念祝賀会には、地元の花川興惣太区長と多数の区議会議員、国会からも自民党の八代英太議員、民主党の藤田幸久議員、公明党の太田昭宏議員らがお祝いに駆けつけた。
民団東京本部の許孟道団長が「共存共栄しながらこれからも地域社会発展に貢献していきたい」述べた。
また、脱北者支援センター代表の呂健二民団中央本部副団長は在日ゆかりの脱北者が日本で自立した生活を送れるよう支援を要請した。
席上、柳支団長から李慶晩民団北支部常任顧問と北区日韓親善協会の鈴木康史常任顧問にそれぞれ感謝牌が贈られた。
(2003.11.26 民団新聞)