掲載日 : [2016-07-13] 照会数 : 6754
ダム工事で犠牲徴用同胞を慰霊…民団高知本部
【高知】民団高知本部(鄭慶文団長)は5日、高岡郡四万十町にある津賀ダム平和記念碑(「四万十平和の塔」)を訪れ、ダム建設で犠牲となった同胞を慰霊した。
第2次大戦中、津賀ダムの建設には韓半島から約200人が本人の意に反して駆り出された。難工事だったため、隧道での事故死や川での水死などで多数の犠牲者を出した。遺体は地域の共同墓地や山中に無縁仏として埋葬された。
記念碑は自主的な高校生サークル「幡多ゼミナール」(宿毛市山奈町)が2009年8月に建立した。高さ2・3㍍、幅1・2㍍。ダムの導水路工事で出たと思われる石を300個拾い集めて積み上げた。石塔の先端部は韓国の国鳥、カササギを表す。内部には無名墓8カ所から採取した土を壺に入れて納めた。
民団高知は13年から慰霊活動を引き継いだ。今年は7人が参加。現地を訪れ、慰霊碑の世話人から話を聞き、先人の苦労に思いを馳せてきた。
世話人は「当時は私も小学生。親たちも朝鮮人だからといって差別することはなかった。お互いに食べ物を分け合ったり、一緒に学校に行ったりしていた」と話した。
同本部の関係者は「世話人の方も高齢化が進んでいる。飯場のあった場所などいまのうちに記録として残していかないと、誰も分からなくなってしまう。民団としてこれからなにかできないか考えていかなければならない」と述べた。
(2016.7.13 民団新聞)