掲載日 : [2003-12-10] 照会数 : 4621
「在日」課程新設へ一歩 永住者11人が受験(03.12.10)
開校50周年を記念…東京韓学中等部
来年4月の開校50周年記念事業の一環として中等部新入生に在日同胞生徒を特別募集している東京韓国学校で9日、中等部の第1次入学試験が行われ、小学校6年生の在日同胞児童11人が受験した。昨年は3人だっただけに比率的には上向いている。
今年7月から在日同胞家庭を回り、20人を目標に6年生児童の入学を呼びかけてきた同韓学理事会では「募集初年度としては上々の滑り出し」と自信を深めている。学校側では来年3月の2次試験までに志望者はさらに上積みされるものと期待している。
試験会場の教室に入った在日生徒たちは午前10時から日本語と数学の2科目の試験を受け、午後から面接に臨んだ。なお、この日の中等部1次試験の入試には在日同胞児童を含め合計81人が受験した。
受け入れの学校側では英語、数学、日本語、理科、社会の主要5科目を日本の教科書を使い日本語で教え、日本の高校進学希望者にはそれを可能とする学力養成を目標とする。一方、音楽、美術、体育などは本国出身生徒20人との混成クラスを編成、韓国語で授業を行う。これは中学3年間で韓国語中級(韓国語検定試験〈最高6級〉の3級以上)の力をつけさせるため。授業の現場ではトウミ(ボランテイアの友達)をマンツーマンで配置して韓国語の理解を助ける。
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募集活動を担当した洪性豪常任理事(前中高等部教頭)の話
手応え感じた
「各民団民団支部や地域同胞皆さんの協力で地域訪問、戸別訪問を行ったが、父母たちのかなり強い関心を感じた。子どもたちに在日同胞としての自覚と日本学校進学の能力の双方を持たせたいという気持ちだ。サッカー・ワールドカップなどで韓国のイメージが向上した影響も小さくない。来年から中学で預かるこの在日生徒たちは、学校にとっても貴重な宝だ」
また、5日に行われた初等部新入生面接でも応募生徒68人のうち在日永住者生徒は例年の2・5倍の11人にのぼった。
(2003.12.10 民団新聞)