掲載日 : [2017-04-26] 照会数 : 7477
<熊本>正法寺で徴用犠牲者を慰霊…韓国人と中国人合同で
[ 「供養塔」を背にする赤星善生住職(正法寺) ]
【熊本】第2次大戦中、日本に徴用された韓国・朝鮮人と中国人殉難者のための合同慰霊祭が12日、荒尾市の正法寺で営まれた。民団熊本本部からは金泰 団長をはじめとする役員5人が参列した。
寺には韓国・朝鮮人のための供養塔「不二の塔」と「中国人殉難者供養塔」が並んで建つ。いずれも赤星善弘名誉住職が県内をくまなく托鉢して集めた供養の浄財をあてた。浄財は5円玉や10円玉などの小銭が多く、1972年に建立するまでには3年余りの歳月がかかった。赤星名誉住職は以来、毎年4月12日に合同慰霊祭を主宰してきた。現在は高齢の名誉住職に代わって子息の善生住職が主宰している。
赤星名誉住職が托鉢をしていた当時の荒尾は大牟田と並ぶ三井鉱山の企業城下町といわれ、町工場に至るまでなんらかの関わりを持っていた。赤星名誉住職は「三井さんににらまれたら、おまんまが食えない。托鉢しているときに石を投げられて頭にかぶった笠に穴を開けられたこともありました」という。
供養塔の「不二」は仏教用語で「本来は一つ。二つにあらず」を意味する。当時、碑の名称をめぐって民団と総連の間で対立したため、赤星名誉住職が「やがては平和的に統一されるであろうことを信じて」命名したという。
(2017.4.26 民団新聞)