掲載日 : [2017-08-30] 照会数 : 9149
<各地光復節>祝祭ムード一色に…趣向こらし式典
[ 団員への感謝を込めた「大焼肉大会」(長野) ]
第72周年光復節を祝う式典が15日まで、各地で行われた。1部の記念式典こそ厳かな雰囲気で進行したが、2部以降は祝祭ムード一色。友人・知人との久しぶりの再会を喜び、大人から子どもまでが趣向を凝らした出し物を楽しんでいた。アトラクションを中心に全国の式典の一部を収録した。
近隣の日本人も参加、共に祝う
神奈川(金利中団長=15日、関内ホール) 大ホールに800人が参加。2部記念公演では京畿道立国楽団の公演などを楽しんだ。金団長は式典あいさつのなかで北韓のミサイル挑発を糾弾し、自治体レベルでのヘイトスピーチ規制条例の制定を求めた。
千葉(金鎭得団長=12日、九十九里海岸「海の家かねせん」) 千葉民団農楽隊のサムルノリが「海の家」でくつろぐ団員の間を練り歩き、会場を祝祭気分に包んだ。
アトラクションは例年以上に多彩。民団市浦支部の金萬石議長と崔八重子婦人会長がペアを組み、ユーモラスな「カクソリ」を披露し、君津から参加した小学生による見事な三味線演奏や千葉大留学生の有志でつくるサークル「千打」によるサムルノリも会場をわかせた。最後には2年ぶりとなる抽選会も。参加者は330人を数えた。
山梨(鄭郁団長=10日、同本部) 式典に先だって孫正義氏が自らの肉声で極貧時代の生い立ちを振り返った貴重な映像(2010年6月25日、ソフトバンク「新30年ビジョン発表会」で収録)を放映した。物心ついて事業家を志した孫氏が訪米を前に「おばあちゃん」に頼み込み、それまで忌み嫌ってきた韓国を一緒に訪れるくだりには涙をぬぐう団員の姿が見られた。
鄭団長は「日本国籍を取った人、新定住の貴金属協会会員らが力を合わせて民団を盛り上げていってほしい」と呼びかけた。
茨城(張仙鶴団長=11日、東茨城郡ふれあいの里) 「3世代がふれあう光復節」を合い言葉に110人が野外でバーベキュー料理を囲み、輪投げ大会、スイカ割りなどで過ごした。最後は抽選で当選者にプレゼントが贈られた。
埼玉(田虓玔団長=5日、同本部) 第2部で矢倉克夫参議院議員(公明党)が「共生社会を目指して」と題して講演、120人が参加した。
西東京(全實団長=13日、同本部) 式典には地元商店街から日本人住民も参加した。全団長は「植民地支配から解放された記念日を日本人の友人が一緒に祝ってくれてうれしい」と感謝の言葉を述べ、韓日友好親善への決意を新たにしていた。参加者全員に記念品が贈られた。
群馬(朴旋用団長=15日、前橋市内のホテル) 駐日大使館からパスポート巡回業務も兼ねて趙敏宰領事が参席したこともあり、民団行事に初めて足を運んだという団員の姿も見られた。懇親会会場では昨年の民団中央創団70周年記念式典のビデオが流され、くじ引きによる賞品抽選会も行われた。
長野(朴永大団長=11日、同本部) 式典後は敷地内広場を開放し、「大焼肉大会」で出席者への感謝を表した。民団スタッフは猛暑で汗だくになりながらも団員奉仕に努めていた。ある団員は「民団の行事がこんなにたくさんの子どもたちでにぎわうのを、久しぶりに見た」と喜んでいた。
新潟(李鐘海団長=15日、同本部) 第2部で韓国映画「あなたその川を渡らないで」を上映。団員が世代を超えて楽しんだ。粗品として参加者全員にエゴマの葉が贈られた。
式典に先立って徴用同胞を慰霊
宮城(金政郁団長=15日、同本部) 式典後、県日韓協と共催したボウリング大会を楽しんだ。団員家族ばかりか同本部の韓国語講座受講生も加わり、参加者は昨年を上回る82人を数えた。金団長が「大会を通じて日韓親善をさらに深めていきたい」と述べた。
北海道(李圭亮団長=15日、韓国文化会館) 式典に先だって札幌市西区の平和の滝に足を運び入り口に建つ「韓国人殉難之慰霊碑」前で焼香した。碑は道内各地の炭鉱に徴用され、強制労働させられた同胞を悼み、民団が1960年6月25日に建立した。夕方からは参加者全員、定山渓温泉での光復節祝賀会に臨んだ。
カラオケ大会で自慢ののど競う
愛知(朴茂安団長=15日、東海市の会館) 団員ら850人が参加。式典に先だって今年の創団70周年記念行事の概要が紹介された。朴団長は「記念行事を通じて日本の方々との友好の輪を広げ、交流を図っていこう」と呼びかけた。第2部で千昌夫さんと新沼謙治さんによるジョイントコンサートがあった。
岐阜(董勝正団長=15日、岐阜市内のホテル) 2部で子どもたちによるテコンド演武、カラオケ大会を行った。カラオケには予定を上回る14人が登場し、自慢ののどを競った。董団長は「韓国と日本の懸け橋として行動したい」と強調した。
三重(殷慶基団長=15日、四日市市内のホテル) 式典で学生4人に奨学金が贈られた。アトラクションとしてK‐POP歌手のカン・ハニとソウルクライによる公演があった。団員も一緒に歌い、踊った。姜錫=駐名古屋副総領事、松田直久衆議院議員(民進党)、三谷哲央県議会議員(民進党)らが参席した。
大人も子どもも楽しめる祭りに
大阪(鄭鉉権団長=15日、同本部) 式典には800人が出席。鄭団長は「在日同胞が弱者におとしめられては絶対にならない。私たち一人ひとりが知的強者、経済的強者にならなければならない。そのために自らがやるべきことを必ず成し遂げ、私たちの地域社会を守り、発展させなければならない」と一致団結を呼びかけた。
第2部は大人から子どもまで「夏祭り」を楽しんだ。大人は呂英華韓国伝統芸術院、史相龍、金沢バンドが出演した伝統民謡ショーを。オリニたちは特設会場で「射的」や「スーパーボールすくい」などの遊戯やゲームに興じた。最後は韓国往復航空券などが当たる大抽選会に会場が沸いた。
兵庫(李圭燮団長=13日、神戸市内のホール) 式典で李団長は来年に開催される平昌冬季オリンピックへの応援を訴え、「日本人を含めて積極的な訪韓を」と呼びかけた。第2部で氷丘中学校国際交流部がサムルノリ、プンムルを演奏した。このほか、50〜70代の男女シニアモデルで構成する「ザ・ショープロジェクト」があり、韓服やデザイナー衣装、ドレスのシニアファッションショーを披露。会場の350人を楽しませた。
京都(河相泰団長=15日、同本部) 創団70周年を迎えた今年、「朝鮮通信使ゆかりのまち全国交流会」が京都市内で開かれるのを踏まえ、河団長が「京都市や関連団体と連携し、韓日合同事業の成功を目指す」と述べた。京都日韓親善協会の二之湯智理事長、日韓親善京都府議会議員連盟の渡辺邦子会長、日韓親善京都市議会議員連盟の小林正明会長がそれぞれ祝辞を述べた。京都府と京都市からもお祝いのメッセージが届いた。
奈良(黄泰壽団長=15日、同本部) 第2部でドキュメンタリー「大阪から来た手紙」が上映された。映画は済州4・3事件で親を失った子どもたちの視線で事件に起因する様々な被害を証明しようとしたもの。引き続き、韓国料理を囲んでの懇親会が開かれた。
滋賀(朴鍾文団長=15日、同本部) 懇親会では韓国ノレとチャンゴの梨花ショーを楽しんだ。婦人会滋賀本部が心づくしの料理で参加者をもてなした。
和歌山(孫文敏団長=15日、同本部) 第2部は参加者一同、NHKスペシャルで放映された「緊迫 北朝鮮危機の深層」を見た。
新成人16人祝賀奨学金の授与も
広島(李英俊団長=11日、同本部) 式典の中で広島県韓国奨学会(沈勝義理事長)からの奨学金授与と2017年度韓国人成人式があった。奨学金は沈理事長から対象者6人に贈られた。また、新成人16人には李団長が激励の言葉を添えてそれぞれに記念品を手渡した。
第2部では韓国伝統文化公演が繰り広げられた。韓国から招いたマルチチームがサムルノリ、林芳尉国楽祭で大統領賞を受賞したこともある馬美淑さんは迫力あふれるパンソリを披露した。最後はカンガンスルレで会場が一体となった。
岡山(宋燦錫団長=15日、同本部) 第2部で映画「ノーザン・リミット・ライン 南北海戦」を鑑賞した。北韓警備艇が韓国軍の軍艦を奇襲した02年の第2延坪海戦をもとにしている。北韓との間で緊張関係が高まっているさなかだけに参加者の関心を集めた。宋団長は「韓国政府は慰安婦問題に関する15年韓日合意を誠実に履行してほしい」と呼びかけた。
山口(姜昌憲団長=12日、下関シーモールパレス) 式典後、本国との文化交流の一環としてパンソリとサムルノリの公演が行われた。駐下関大韓民国名誉総領事館から山本徹名誉総領事が参席した。
支部単位で多彩演奏会や抽選会
福岡(李相鎬団長=13支部で個別開催) 福岡は15日、福岡韓国会館で開催。本部から李団長が参席。遠賀では演奏会と抽選会、大牟田でも演奏会が行われた。
長崎(姜成春団長=15日、諫早市内のホテル) 式典を終えてKBS制作のDVD「軍艦島から白頭山まで」が上映された。姜団長は「対馬連絡事務所を民団対馬支部として再建していきたい」と述べた。引き続き懇親会があった。
佐賀(鄭清俊団長=13日、県立生涯学習センター「アバンセ」) 式典後、「佐賀の古墳文化と朝鮮半島」と題して県立名護屋城博物館の蒲浦宏行館長が講演した。鄭団長は「古代からの韓日交流をテーマにした本講演会が『朝鮮通信使』のユネスコ世界記憶遺産実現へ世論喚起の一助になれば」と期待を込めた。講演を聞いたある団員は「佐賀県と韓半島との文化的なかかわりが古代から現在に至るまで続いているとは」と驚いていた。
大分(呉成秀団長=11日、同本部) 式典を終えて婦人会の用意した弁当とキムチ、ゆで豚で食事した。
県内の韓国人留学生を招待
愛媛(金鍾哲団長=5日、同本部) 式典を終えての懇親会には県内の各大学に通う韓国人留学生も招待し、団員との親交を深めた。金団長は記念行事などにもっとたくさんの同胞が集えるよう働きかけていきたいと述べた。
高知(鄭慶文団長=8日、高知市内のホテル) 式典で鄭団長は「韓国と日本が未来に向けてよりよい関係を築いていけるようこれからも努力していきたい」と述べた。アトラクションではマジックショーとビンゴゲームを参加者全員で楽しんだ。
(2017.8.30 民団新聞)