掲載日 : [2017-11-08] 照会数 : 7593
新作バイオリン出展…名匠の血引く陳昌鼓さん
弦楽器フェア
新作弦楽器の国際見本市ともいうべき「第60回弦楽器フェア」(日本弦楽器製作者協会主催)に在日同胞2世の陳昌鼓さん(JIN工房、東京都調布市)が自慢のバイオリンを個人出展した。
作品はストラディヴァリウス、アマディと並ぶイタリアの名器ガルネリウスを当時の設計図をもとに忠実に再現したもの。ストラディヴァリウスの持つ華やかさこそないが、骨太で野生美があり、どこか愁いを帯びた渋さが特徴。昌鼓さんは「音が大きい。今の時代には合っている」と話す。
弾き比べできるよう隣には昌鼓さんの父で世界的な弦楽器製作者として名前の知られた故陳昌鉉さんの遺作も展示した。
試奏したある演奏家は「昌鼓さんにはお父さんのような芯は感じられないが、音はよく出る。温かみのある音だ」と一定の評価をした。ちなみに定価は100万円だという。
フェアは5日まで3日間、東京・千代田区の科学技術館で開かれ、約3000人が入場した。
(2017.11.8 民団新聞)