掲載日 : [2017-12-20] 照会数 : 7761
<民団中央本部>全国20カ所に慰問金…ハンセン病療養所、特養ホーム、デイ施設
[ 熊本の菊池恵楓園を慰問する徐順子副局長(右) ]
歳末恒例の相互扶助運動が全国の民団地方本部、支部などで繰り広げられている。民団中央本部は19日までに各地のハンセン病療養所、特別養護老人ホームやデイサービスなどの同胞福祉施設合わせて20カ所に福祉支援のための慰問金を贈った。
東京都東村山市の国立ハンセン病療養所多磨全生園は13日、民団中央本部生活局の徐順子副局長が民団西東京本部の実務者とともに訪問した。同園には病気は癒えても後遺症を抱える高齢の同胞16人が余生を送っている。
韓国・朝鮮人互助会の会長(82)は「昔は刑務所だった。いちばん辛い場所ですよ」と先輩の過去の体験を振り返った。
韓日関係の行方にはいまも神経をとがらせている。「日本と韓国が仲良くしてくれないと私たちが困る。文大統領の訪日が楽しみ」と話した。
民団西東京本部の金錦愛事務局長が韓服姿のモデルが彩る韓国製のカレンダーを差し出すと、「絵がきれい。これを楽しみにしていた」と笑顔を見せた。
徐副局長は15日、同胞5人が入居している熊本のハンセン病療養施設菊池恵楓園も慰問、全員と面談した。民団中央から同園を訪ねたのはこれが初めて。入居者は「心から感謝します」と言って喜びを表していた。
諸葛祚さん(85)は韓国語を独学し、あいさつ程度の会話もできる。政治にも関心があり、北韓から流れついた木造船について語りながら、「可哀想でしかたない」と涙した。
民団熊本本部(金泰 団長)からは蔡鎭淑副団長、崔相哲事務局長ら3人が同行。韓国海苔と同本部特製のカレンダー、10月マダンの開催プログラムを届けた。
民団群馬本部(朴旋用団長)からは金賢振常任顧問と姜成澤顧問、事務員の金真利子さんが8日、草津市のハンセン病療養施設栗生楽泉園を訪れ、同胞入居者4人にキムチと餅、柚子茶、カレンダーなどを手渡した。
同胞親睦会「協親会」の代表を務める張金石さん(93)は金常任顧問に「在日韓国人は日本に同化してしまうのではないか」と心配顔。金常任顧問が「民団中央が次世代教育に力を入れているので心配しないで」と説明するとようやく安心した表情を見せた。
(2017.12.20 民団新聞)