掲載日 : [2018-02-14] 照会数 : 8016
「在日」の現況伝える…在日コリアンの人権白書
書籍『在日コリアンの人権白書』(明石書店、1500円)が14日に発刊された。民団中央本部の人権擁護委員会(李根委員長)が企画し、弁護士ら所属委員が制作委員会を構成して執筆と編集を担当した。
序章の「在日コリアンとは何か」に続き、第1章の「在日コリアンの人権」では、法的地位と国籍について述べた。第2章では「外国人登録法改正運動と91年問題」、第3章では「在日コリアンの参政権と在留の権利」を解説した。第4章の「残された課題と新たなる差別」では、公立学校の教員採用や慰安婦問題、ヘイトスピーチ根絶などにスポットを当てた。
本文のほかに13篇のコラムでは、ベルリン五輪の金メダリストで、「日章旗抹消事件」で知られる孫基禎や戦後日本のヒーローになった在日レスラーの力道山、在日同胞初の弁護士として活躍した金敬得、70年代以降に一世を風靡した俳優の松田優作らの人物を取り上げている。巻末には、1945年8月の植民地支配解放から46年の民団創立や00年の指紋押捺義務を廃止した改正外国人登録法施行や16年の「ヘイトスピーチ対策法」施行など、「人権年表」を収めた。
李委員長は「在日同胞が韓国と日本で信頼される存在になるように、本書を通じて相互理解をめざした」と制作動機を述べている。
(2018.2.14 民団新聞)