第73周年光復節記念式典は東京での中央式典のほかにも全国の各地方本部で開催された。式典後の第2部では講演、韓国民謡の公演、ノレチャラン(のど自慢)大会、豪華賞品の当たる抽選会など趣向を凝らした各種アトラクションを楽しんだ。各地の団長からは共生社会構築に向けた決意表明もあった。
【関東】カッソリに続けオリニも大行列
▽東京(金秀吉団長、15日=新宿文化センター)第2部芸能特別公演では金蓮子が得意のトロットのほか、韓国歌謡の名曲や懐かしい民謡の数々で会場を沸かせた。歌に合わせて踊りだす観覧客も見られた。東京韓国学校舞踊部や同校初等部卒業生によるパンソリも舞台に花を添えた。最後は年長組の園児から中学生で構成する「オリニ土曜学校」が太極旗を手に童謡「故郷の春」を合唱した。
このほか、ホテル宿泊券付きの韓国往復航空券などの当たる賞品抽選会もあり、会場が盛り上がった。
▽神奈川(李順載団長、15日=横浜市南区総合庁舎内南公会堂)1部記念式典には県日韓協連合会から斎藤文夫会長、日韓親善議員連盟の牧島功会長(自民党県議)、公明党県本部代表の上田勇氏らの来賓を含め約700人が参席した。2部は京畿道民謡と神野美伽のショー、抽選会などが行われた。
▽千葉(金鎭得団長、11日=九十九里町海の家)式典で金団長が「在日の生活、韓日友好、自由民主主義の祖国の3つの土台を守ろう」との呂健二中央団長の慶祝辞を代読。第2部ではカッソリ・タリョン(韓国式チンドン屋)が登場。オリニも隊列をつくって会場内を闊歩した。企画の目玉だった地引き網は高波のため中止に。これを楽しみに親子で参加した子どもたちは青年会のリードで海水浴やプール遊びに転じた。
(写真:カッソリ姿の女性の後を追うオリニたち=千葉)
▽山梨(李正炯団長、11日=同本部)新潟県に居住しながら20年近くにわたって多額の団費を納めてきた金慶昭前新潟本部団長を表彰。李団長自ら感謝状を手渡した。金前団長は故金碩煥氏(民団山梨本部第19、20代団長)の長男。新潟に移ってからも父親の意思を継いで民団への協力を惜しまなかった。
▽栃木(崔龍治団長、7月27日=宇都宮市内のホテル)創団70周年記念式典に先立って行った。崔団長は「栃木で認められた団体として韓国と日本を結ぶ役割を果たしていきたい」と抱負を述べた。
▽埼玉(田虓玔団長、11日=同本部)2部では竪十萌子弁護士(憲法学者)が憲法と暮らしをテーマに「共生社会を目指して」と題した記念講演を行った。ある団員は「憲法の大切さを考えさせられた」と感想を語った。
▽西東京(全實団長、11日=同本部)全団長が団員相互の融和と組織の発展へ全戸戸別訪問を展開していくと決意を表明。第2部では韓国人演歌歌手の金沢賢一が韓国の演歌や民謡の数々を披露した。
▽群馬(朴旋用団長、15日=前橋市内のホテル)創団70周年を祝い、遠くからも多くの参加者が集う式典となった。会場でパスポート巡回業務も行った。
▽静岡(李宜弘団長、12日=静岡市内のホテル)李団長が「地域の皆さんと一緒に共生社会を構築していきたい」と述べた。これを受けて来賓の酒井公夫静岡商工会議所会頭が「県内の朝鮮通信使ゆかりの都市をつなぐ日韓親善協会を立ち上げたい」と意欲を表明した。2部は大阪で生まれ育った在日3世の閔美和さんが伽耶琴独奏を披露した。婦人会静岡本部はハン・ドルさん作の名曲「ホルロアリラン」で会場を盛り上げた
=写真。
▽新潟(李鐘海団長、15日=同本部)第2部は支部対抗ノレチャラン大会。駐新潟総領事館職員も加わり自慢ののどを競った。優勝者には韓国食品セットがプレゼントされた。
【東北】西日本豪雨に参加者が募金
▽北海道(李圭亮団長、15日=韓国文化会館)式典に先立って札幌市西区の平和の滝の入り口に建つ「韓国人殉難之慰霊碑」前で焼香した。碑は道内各地の炭鉱に徴用され強制労働させられた同胞を悼み民団が1960年6月25日に建立した。
▽宮城(金政郁団長、15日=同本部)呉炳泰同本部顧問が1900年代の韓国をテーマに「おもいで」と題して特別講演。西日本豪雨災害募金箱には多くの参加者が協力した。式典を終えると県日韓親善協会と共催した今年で12回目のボウリング大会に合流し、心地よい汗を流した。大会には同本部で学ぶ韓国語受講生も加わった。
(写真:ボウリング大会にはオリニの姿も目立った)
【中北】「地域に役立つ民団めざして」
「大野遊会」に600人…愛知・支部対抗でカラオケも
【愛知】民団愛知本部(朴茂安団長)は16日、「大野遊会」で光復節を祝った。会場のつぐ高原グリーンパークには来賓を含め約600人が参加。同本部としては初となる野外バーベキューを楽しんだ。
メーンの支部対抗カラオケ大会
=写真=には各支部から2人ずつ参加、合計得点を競い合った。優勝は支団長自ら歌を披露した名南支部だった。このほか、ニジマス釣りやパターゴルフを楽しむ団員の姿も見られた。
園児から中学生までのオリニは韓国をテーマとした〇×クイズ大会で盛り上がった。正解者にはその場でお菓子、終了後は全員に光るストローコップと名物のとうもろこしが配られた。
開会に先立って同本部の朴茂安団長があいさつ。駐名古屋総領事館の南宮煥副総領事は文在寅大統領の祝辞を代読した。最後に鄭博常任顧問が乾杯の音頭を取った。各支部から繰り出したバスは合わせて14台を数えた。
▽岐阜(董勝正団長、13日=岐阜市内のホテル)董団長は式典で「自分のルーツを忘れずに、地域とともに役に立つ民団になるよう婦人会とともに地域発展に尽力していく」とあいさつ。お祝いに婦人会春日井支部の伽 舞踊団が韓国舞踊を披露、韓国から招いた歌手2人が韓国民謡で会場を盛り上げた。最後は全員で「アリラン」を合唱した。
▽三重(殷慶基団長、15日=四日市市内のホテル)同本部の創団70周年を記念して名古屋韓国学校校長を歴任した尹大辰さんが「朝鮮通信使が遺した文化交流」と題して講演した。
▽富山(金仁団長、11日=同本部)第2部で7月の創団70周年記念事業「日韓交流芸能まつりイン富山」を収録したDVDを鑑賞した。
【近畿】KBS「ノレチャラン」本選出場者選出
▽大阪(呉龍浩団長、15日=同本部)1部式典では5月31日にJR桃谷駅で人命救助にあたった建国小学生4人の勇気ある行動を称え、呉団長が自ら表彰。5支部(生野中央、吹田、大正、西成、平野東住吉)の各退任支団長には感謝牌を授与した。呉団長は「多文化共生社会の実現に向けて先頭に立っていく」と決意を述べた。2部はのど自慢大会や豪華賞品の当たる抽選会で会場が盛り上がった。750人が参加した。
(写真:大阪の式典には750人が参加した)
▽兵庫(李圭燮団長、14日=神戸ポートオアシス)アトラクションでKBS「全国ノレチャラン」第3回大会の予選があり、30人が自慢ののどを競い合った。審査の結果、洪錫貞さん(西播地域代表)と=壽隆・璃安親子(東神戸地域代表)の2組が本選への出場権を獲得した。最後に韓国往復ペア航空券などが当たる抽選会もあり、約400人が楽しんだ。
▽京都(金政弘団長、15日=同本部)式典で金団長が9月16日に京都市内で開催する「京都コリアフェステイバル」で今年も朝鮮通信使行列を再現すると明らかにした。また、オリニ土曜学校を各支部に広げていきたいとも述べた。府国際課、京都市総合企画局国際化推進室、日韓親善府議会議員連盟、日韓親善京都市会議員連盟などからも来賓が参席し、合わせて200人を数えた。
▽奈良(李勲団長、15日=同本部)李団長は11月に同本部の創団70周年記念式典を開催する予定だと述べ、参加者の協力を呼びかけた。第2部で奈良韓国教育院の金亨根院長が「愛国歌」をテーマに講演した。
▽滋賀(金東凡団長、15日=同本部)第2部で呂英華韓国伝統芸術院長によるノレとチャンゴ演奏を楽しんだ。
【中国】同胞大学生に奨学金支給も
▽広島(李英俊団長、11日=同本部)李団長が7月の豪雨災害に全国から駆けつけた同胞ボランティアへ感謝の言葉を述べた。2部のアトラクションは伝統文化公演で被災者を慰労。イムバンウル国楽祭大賞(大統領賞)の受賞者3人が春香歌のなかのサラン歌をカヤグムとへグムのコラボレーションで披露した。また、広島韓国奨学会が県内の同胞大学生6人に奨学金を贈った。
▽山口(林源玉団長、12日=シーモールパレス)2部で広島在住の在日同胞被爆者、李鐘根さんが自らの被爆体験について語った。アトラクションでカラオケ大会や景品抽選会も行われた。
【九州】参加者191人「アリラン」合唱
▽福岡(李相鎬団長、15日=八仙閣博多本店)第2部で「韓日の平和と共生を願って!」と題した記念行事を行った。
ドキュメンタリー映画「筑豊発 日韓に架ける橋」上映の後、サランバンコーラスが「光復節の歌」など3曲、アジ縁はチャングと琴の合奏「鳥のように」を披露。最後は参加者191人全員で「アリラン」を合唱した。
▽長崎(姜成春団長、12日=市内のホテル)式典を終えての懇親会で留学生と一緒に「アリラン」を合唱した。姜団長は戸別訪問活動への協力を訴えた。
▽佐賀(朴弘正団長、12日=県立生涯学習センター「アバンセ」)2部で佐賀大学経済学部の張韓模教授が「光復後の韓半島経済と今後の展望」と題して講演した。団員からは「わかりやすくて勉強になった」と好評だった。朴団長は団員とつながりを密にして組織強化に結びつけていくと強調した。
【四国】解放からの歴史<次世代に継承へ
▽香川(韓大圭団長、12日=高松市内のホテル)式典を終えると地元で活躍している歌手によるライブを楽しんだ。参加者も舞台前に出て一緒に合唱した。
▽愛媛(金鍾哲団長、4日=松山市内のホテル)金団長が式典後の懇親会で「日本統治下から解放されてからもう73年。次世代にこの大切な歴史を語り継ごう」と呼びかけた。
▽高知(鄭慶文団長、8日=同本部)式典を終え、高知大丸屋上でバーベキュー懇親会を開いた。翌日のよさこい祭りを前に参加団員は気分を高揚させていた。
▽徳島(姜盛文団長、15日=同本部)姜団長は「日本社会で社会貢献をしていくことが現代における真の独立運動家」と呼びかけた。
(2018.08.29 民団新聞)