掲載日 : [2018-10-24] 照会数 : 7747
地域に韓国文化発信…各地「10月マダン」住民とともに
[ 子どもたちにビンゴゲームで賞品を配布(高麗神社) ] [ 運動会の風船割り競争(滋賀) ] [ 兵庫、韓国語スピーチ大会「初級」の部で優勝の安田愛菜さん(左) ]
秋の深まりとともに民団の主催する「10月のマダン(広場)」が各地で行われている。当初は相互に親睦を深め、同胞の絆を確認する意味合いが強かったが、いまは韓国固有の文化を地域住民に発信し、一緒に楽しむというのが主流となっている。
◆農楽で心一つに…埼玉
民団埼玉本部(田虓玔団長)主催の「10月マダン埼玉民団祭」が21日、日高市の高麗神社で開かれ、団員や市民ら約1500人が訪れた。
サムルノリでスタートしたプログラムは、チャングや伽耶琴の演奏も行われるなど、会場は伝統音楽の音色に包まれた。
川口ハングル学校に通うオリニたちはテコンドの演武を披露し、日ごろの練習の成果を存分に発揮した。また、K‐POPのメロディーに合わせて、テコンドを取り入れたかわいらしいダンスも演じた。
最後に、参加者たちは農楽の演奏にあわせて輪になって踊り回りながら一体となった。
◆韓服お披露目も…神奈川
NPO民団国際協力センター(民団神奈川本部)は13、14の両日、横浜市鶴見区の神奈川県立三ツ池公園内「コリア庭園」と「水辺の広場」周辺で秋の「こりあまだん」を開催した。
特設ステージでは京畿道立国楽団に所属する2人の女性歌手が「アリラン」メドレー、韓国の若手ラップグループは躍動的なステージパフォーマンスを披露した。会場内の飲食屋台では横浜、川崎、鶴見、湘西の民団各支部、婦人会神奈川本部、神奈川青商が焼肉、キムチ、チヂミ、トッポッキなどを販売した。
「コリア庭園」内の民族遊戯コーナーでは、家族連れがトゥホノリ(投壺)やチェギチャギ(羽根蹴り)、ペンイチギ(こま回し)に夢中になっていた。
14日にはコリア庭園内で韓服ファッションショーも行われた。
◆サムルノリ披露…栃木
民団栃木本部(崔龍治団長)は13日、日光運動公園スポーツ広場で開かれた「日光けっこうフェステイバル」(日光市など主催)に協賛し、サムルノリ演奏を披露した。屋台横丁では韓国の料理や食料品も販売した。主催者は特大鍋で調理した芋煮を約3000人にふるまった。来場者は名物の日光下駄飛ばし選手権大会に参加し、夕刻には大谷川河畔で打ち上げられた花火を楽しんだ。
◆韓国式の芋煮会…山形
民団山形本部(車壽鎔団長)は8日、山形市内の馬見ケ崎河川敷で名物の鍋料理「芋煮会」を開催。団員のほか日韓協関係者ら200人が参加した。具材は地元名物の里芋が中心だが、婦人会山形本部がユッケジャンスープにアレンジした。食卓には焼肉やチヂミ、水餃子、キムチも並ぶなど豪華そのもの。マッコリを手に韓日の食文化交流を楽しんだ。
◆文化祭で発表会…兵庫
民団兵庫本部(李圭燮団長)は13日、神戸市長田区のピフレホールで第23回兵庫県韓国学園連合文化祭(「10月マダン」、同学園連合会・神戸韓国教育院共催)を開催。400人が来場した。
午前中、県内の各韓国学園で学ぶ学生たちによる韓国語スピーチ大会は初級と上級に分かれて行われた。審査の結果、初級は安田愛菜さん(神戸オリニ土曜学校)、上級は小川沙織さん(兵庫韓国学園)がそれぞれ大賞を受賞した。
午後は各学園の学生たちが寸劇や舞踊、サムルノリ、合唱を民俗芸能などを取り入れながら発表した。総領事賞が宝塚韓国学園に、教育院長賞は神戸韓国学園に贈られた。連合会会長賞に尼崎韓国学園、民団兵庫本部賞は西播韓国学園がそれぞれ受賞した。
◆副知事も祝いに…鳥取
民団鳥取本部(黄龍也団長)は13日、鳥取市内の県立鳥取砂丘こどもの国で開催した。参加者は60人。主催者の用意した心づくしの昼食をとりながら山陰サムルノリの勇壮な打楽器の演奏と、Mrジェラートによる手品を楽しんだ。
開会にあたって黄団長が韓日交流のさらなる発展に意欲を示したのに対し、野川聡県副知事と稲田寿久県議会議長、小松弘明琴浦町町長らがそれぞれお祝いの言葉を述べた。
◆多文化共生15年…島根
民団島根本部(金吾男団長)は「マダン」を、同本部が地域密着で15年間続けている「多文化共生交流事業」の総仕上げとして位置づけている。6日、松江市の県立産業文化会館に市民600人を集めた。
民団主催の「習ってみよう、韓国の伝統舞踊」の受講生たちは、オープニング舞台で華麗な「扇の舞」を披露した。「ポジャギ」、「韓紙」の各講座の受講生たちは会場の一角で自慢の作品を展示した。
このほか、韓服の試着体験コーナー、エスニック料理が楽しめる多国籍屋台や韓国伝統茶の体験コーナーにも人だかりができた。
来場者からは「韓国の文化を身近に触れて良かった」「韓国のおいしくて安い屋台を堪能することができた」「楽しい時間をすごしました」などの声が寄せられた。
同本部では「この15年間で民族や国を超えて互いの文化を理解しあう社会に向けて一歩踏み出すことができたのでは。行政と市民からも一定の評価と認知を得られるまでになった」と収穫を語った。
同胞間で交流も
◆次世代育成へ…奈良
民団奈良本部(李勲団長)は7日、桜井市で地域同胞交流会(10月マダン)を開催した。
同本部で団員がそろって楽しめる行事は久しぶり。子どもたちは韓国の伝統遊びと韓服の試着で伝統文化を体感。ミニ運動会には保護者と一緒に参加し、パン食い競争などを楽しんだ。賞品を手にできるビンゴゲームも盛り上がった。
同本部は「団員間の親睦、次世代育成に大いに役立ったと思う」と語った。
◆運動会36年目に…滋賀
民団滋賀本部(金東凡団長)は14日、草津市の矢橋帰帆島公園グラウンドで恒例の運動会を開催した。今年までの36年間1度も途絶えたことのない伝統の行事だ。オリニからシニア世代まで団員200人が心地良い汗を流した。
種目は支部対抗リレー競走、綱引き、パン食い競走など。来賓の駐大阪総領事館の崔哲豪領事、婦人会中央本部の朴善岳会長、近産大津支店の川口道之支店長らも飛び入りで参加した。
優勝したのは昨年に続き大津支部。最後に家電製品などが当たる抽選会も行われた。
(2018.10.24 民団新聞)