掲載日 : [2018-12-19] 照会数 : 7226
年の瀬「お正月を温かく」…ハンセン病療養所3カ所 慰問の品手渡す
[ 長島愛生園の林博芳親睦会長に慰問金を手渡す金利中副団長(左) ] [ 岡山邑久光明園を訪れ、慰問品を手渡した ] [ 菊池恵楓園で慰問団に書道作品を紹介する金山昌子さん(中央) ]
年の瀬が近づくと、民団では毎年のようにハンセン病療養所に入居している同胞を慰問する。今年も中央本部と地元の地方本部の幹部が3カ所の施設を訪れ、慰問金や韓国海苔などを手渡した。民団の訪問を楽しみにしていた同胞らは、再会を喜んだ。
岡山…長島愛生園と邑久光明園を慰問しカレンダーなど贈る
【岡山】民団中央本部の金利中副団長は11月20日、岡山県本部の金成植団長、姜博副団長、金学事務局長を伴い、岡山県長島愛生園を訪問した。同園に入居している19人に慰問金とカレンダー、韓国海苔、タオル、韓国茶を伝達した。
同胞の親睦会「槿友会」の林博芳会長ら3人が応対し、民団に高い関心を示した。林会長によれば、数年前までは県本部が準備したバスで光復節や3・1節などの行事に参加していたが、高齢で足腰が弱くなりできなくなったという。
同園には一番多い時で2000人(そのうち同胞は200人)ほど入居していたが、今は170人程度。「高齢化とともに急激に入居者が減り、とても寂しい」と林会長。面談した3人は元気な様子で、別れ際に「こんなところまで来てくれてありがとう。遠いけど、ぜひまた来て下さい」と涙ながらに訪問を喜んだ。
金副団長らは次に岡山邑久光明園を訪れ、同じく慰問品を手渡した。同胞の親睦会「互助会」の花村慶子会長が応対した。同園には約100人が入居し、そのうち同胞は6人。多い時には30人ほどいたが、今年5人亡くなった。
花村会長は11歳の時の学校の健康診断で、すぐに家に帰るように指示された。家に戻ると保健所の職員が来て強制的に施設に入れられた。絶対に行かせないと泣きながら引き留めたオモニの姿が今でも目に焼き付いていると話した。
熊本…菊池恵楓園を慰問し韓国のりなど
【熊本】中央本部の呉英義副団長は11月21日、熊本本部の金泰汶団長、蔡鎭淑副団長、鄭永眞議長、崔相哲事務局長とともに熊本菊池恵楓園を訪問し、慰問金と韓国海苔を伝達した。同園には約220人が入居し、4人の同胞全員と面談した。
金山連子さんは18歳で入居して現在83歳。9月から入院している。山田真介さんは70代前半、40年前から入居している。趣味のカラオケで1曲と促すと、嬉しそうに応えてくれた。
金沢ミワ子さんは現在86歳。韓国語を継続して勉強中。毎日NHKラジオの「まいにちハングル講座」を聴きながら勉強している。アボジが金沢さんのために売った土地を、50年働いて買い戻し、アボジと兄の墓を建てることができたと泣きながら話した。金山昌子さんはとても元気で、施設職員と一緒に最初から最後まで案内をしてくれた。施設の副院長から書道を習っており、作品展に出品した作品を見せてくれた。生け花も出品しているという。
(2018.12.19 民団新聞)