平昌五輪 数々の感動を生んで…民団の募金2億円に |
平昌冬季五輪が2月25日、17日間の熱戦の幕を下ろした。過去最大規模となる中、韓国は史上最多となる17個のメダルを獲得、総合7位になった。とくに、李相花選手と小平奈緒選手の2人の友情は世界に感動を与えた。民団では募金2億円を1月24日、組織委員会に伝達した。各地方で観戦ツアーを企画、青年会は「平昌五輪青年応援団」として80人がスピードスケートを観戦した。 |
スピードスケート女子500メートルで1、2位を分け合った小平奈緒選手(右)と李相花選手の友情は大きな感動を呼んだ |
呉公太団長らが五輪募金2億円を組織委に伝達 |
平昌五輪に青年応援団を派遣 |
呂健二執行部発足 「同胞の生活守る」 |
2月22日に開かれた第54回定期中央大会は、任期満了にともなう3機関長の改選を行い、団長に呂健二・前中央議長(写真中央)、議長に朴安淳・前中央副団長(左)、監察委員長に梁東一・前中央副議長(右)を選出した。2期6年を務めた呉公太氏からバトンタッチを受けて第50代中央団長に就任した呂団長は「団員の生活を念頭に置き、誠実に活動方針を推進する」と団長としての第一声を上げた。 |
ソウル五輪30周年記念式 |
ソウル五輪開催から30周年を迎えた9月17日、国民体育振興公団と大韓体育会が「30周年記念式」を開催した。会場になったオリンピックパークテルホテルは、五輪成功を願って在日同胞が募金した余剰金で竣工されたゆかりの場所。民団中央本部の呂健二団長、朴安淳議長、梁東一監察委員長、金昌植常任顧問ら11人を含め、高額誠金者ら約500人が参加した。式典では同五輪成功に大きく貢献した組織委員会や民団代表団に当時のメダリストから「名誉のマフラー」が授与された。 |
安昌林、世界選手権初優勝 |
在日3世の安昌林(24)が9月22日に開かれた柔道世界選手権の男子73キロ級決勝で前年の覇者で世界ランキング1位の橋本壮市(日本)を一本勝ちで破り金メダルを獲得した。同大会の権威は五輪などと同格で、現在でもIJFワールド柔道ツアーで最高峰に位置付けられている。安にとって東京五輪に向け大きな自信となった。 |
国体で在日の代表が大活躍 |
第99回韓国国体・全羅北道大会(10月12~18日)で在日同胞選手団(千憲司団長)は金11、銀8、銅4個とし、18カ国の同胞で競われた海外同胞部門の総合優勝を飾り、連覇の記録を7と更新した。特筆すべきは国内種目の柔道高校女子で在日3世で韓国代表の金知秀(57㌔級)と52㌔級で高校1年の許海実(15)が堂々の優勝を飾り、両選手とも東京五輪に向けた「韓国代表」としての地歩を固めた。 |
国体柔道の高校女子で優勝した金知秀選手(中央右)と許海実選手(同左) |
海外同胞部門で7連覇を達成しトロフィーを掲げる千憲司選手団長 |
オリニジャンボリー10回目迎える |
次世代たちが母国に一堂に集い、民族にふれ、仲間どうしの絆を深める2018在日同胞オリニジャンボリー(金昭夫引率団長)が7月28日から4泊5日間、ソウル市で開催された。10回目のメモリアルにふさわしく定員を大幅に上回る参加申請があった。10回の開催で参加したオリニは延べ3276人を数え、民団が目標としていた「全国の次世代同胞仲間のネットワークづくり」を達成しつつある。今回、かつてオリニジャンボリーに参加した「卒業生」16人がリーダーやスタッフとしてボランティアに志願した。 |
次世代サマースクール定着 |
中・高・大学生を対象にした母国訪問事業の次世代サマースクールを8月に開催。夏の次世代イベントとしてすっかり定着し特に中・高校生は定員を大幅に超える参加数となった。韓国民俗村で記念撮影 |
組織改革委員会スタート |
民団の制度、機構・機能を抜本的に見直し、時代に対応できる組織に整備するための提言をまとめることを目的として呂健二執行部では組織改革委員会(金泰勲委員長)を設置した。初会合は5月23日。全国から選ばれた民団幹部と在日同胞弁護士らで委員を構成。優先課題を検討し、議論を重ねながら論点を整理し、意見を収斂していく。手はじめに民団組織機構をどうすべきかを問うアンケートを実施した。 |
民団70年史刊行 |
70年の民団の歴史をまとめた書籍『民団70年史』(発行人=呉公太編纂委員長)が発刊された。「民団70年の足跡」「民団70年の各種事業と運動の記録」「民団70年の組織防衛・反共闘争の記録」の3篇で構成したほか、第1次宣言から第7次宣言や各種統計、地方本部の沿革と現況が掲載されている。また、関東大震災や日本人拉致問題、北送事業など、歴史の事実を説明した14本のコラムも。 |
相次ぐ自然災害で義援金 |
今年は大阪北部地震にはじまり、西日本豪雨、台風24号、北海道地震など自然災害が相次いだ。特に西日本豪雨では自宅や店舗が冠水し、土砂が住居に流れ込んだ団員宅が多く出た。民団では対策本部を設置し、被災同胞宅の復旧作業を支援するとともに、義援金を募り見舞金を伝達した。 |
岡山の同胞の焼肉店も壊減的な災害を受けた |
広島の被災同胞宅を視察する県本部役員ら |
被害同胞の自宅の片付けを手伝う広島県本部役員ら |
東京ーソウル 就航50年 |
大韓航空の東京‐ソウル便が就航したのが50年前の7月25日。同じ25日午前、羽田空港国際線ターミナル大韓航空2708便の搭乗口前で就航50周年記念式典が行われた。同路線の開通によって民団の母国訪問事業が大きく拡大したのはもちろん、在日同胞や日本人にとっても韓国訪問が身近な存在になった。金正洙日本地域本部長は「就航当時は限られた人しか旅行ができなかったが、今では1000万人の人的交流に拡大した。この路線がさらに活発化することで両国の交流も広がっていく」と期待を込めた。 |
韓日パートナーシップ宣言20周年 |
「韓日パートナーシップ宣言」から20年を迎え、日韓親善協会中央会(河村建夫会長)と民団中央本部(呂健二団長)は9月10日、東京都内で「日韓パートナーシップ宣言・20周年記念セミナー」を共催した。基調講演を行った慶応大学の小此木政夫名誉教授と河村会長、呂団長は韓日関係の未来に向けて鼎談し、それぞれの立場から提言した。 |
民団サイト リニューアル |
民団の公式サイトが5月、全面リニューアルした。ネット時代に合わせて、PCサイトだけでなくスマホサイトを通じて動画ニュースやフォトニュースなど民団の動きを韓日両国語で随時アップしている。 |
人権白書 各地で講座・講演会 |
中央本部の人権擁護委員会(李根茁委員長)が今年2月に発刊した書籍『在日コリアンの人権白書』を教科書にした講演会が宮城、大阪、広島でシリーズ開催された。同書籍の執筆を担当した法曹フォーラムの弁護士や生活相談センターの専門相談委員らを講師に過去の差別実態と民団の権益擁護運動などについてを学んだ。 |
大阪府本部の人権講座(7月) |
宮城県本部の人権白書講演会(7月) |
地方選挙権付与を勧告 |
国連人権差別撤廃委員会が日本政府に対して在日韓国人への差別実態について勧告を出した。勧告では永住外国人の地方参政権が初めて取り上げられ、「地方選挙権行使の確保と公務員就任確保」を勧告した。ヘイトスピーチ・ヘイトクライムについては、「対策法」の改正をはじめ、人種差別禁止の包括的な法律制定、加害者に対する措置も勧告された。写真は勧告を受けて記者会見する李根茁人権擁護委員長(右)と趙学植弁護士 |
ヘイト根絶へ各地で条例 |
「いかなる種類の差別も許されない」ことを掲げた「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例案」が10月5日、都議会本会議で可決、成立した。この都条例案は国の「ヘイトスピーチ対策法」(解消法)の実効化を条例制定という形で行うものであり、都道府県レベルとしては初の試み。また、川崎市は3月末にガイドラインを施行、香川県観音寺市もヘイトスピーチ(憎悪扇動)対策の一環として、2つの施設条例に新たな禁止条項を設けていたことが分かった。写真は「人権尊重の理念の実現をめざす条例案」を可決・成立した東京都議会本会議 |
団員との絆深める戸別訪問 |
「同胞ネットワーク作り戸別訪問活動」が組織をあげて全国展開した。西日本豪雨や台風、地震など、自然災害が続いた今年の状況を踏まえた上で、「このような時こそ民団が団員の安否をいち早く確認し、救済活動ができるためにも緊急連絡先を把握」することも目的。団員の安否を伺いながら民団活動についても説明して団員との絆を深めた。写真は荒川支部第1分団の団員先を訪れた呂健二団長ら。 |
各地方で創立70周年祝う |
今年は多くの地方本部が創立70周年を迎えた。記念式典を開催したのは宮城、青森、富山、栃木、奈良、鳥取、大分、熊本、広島、山口、岡山、和歌山、長野、滋賀、三重の15地方本部。また、徳島では記念韓流コンサートを開催した。写真は岡山県本部の70周年記念祝賀会 |
対馬支部が発足 |
民団長崎県対馬支部の設立総会が10月18日、対馬市内のホテルで開かれた。初代支団長に金鍾鎬氏、代表監査に夫斗哲氏が選ばれた。対馬支部の前身は1950年1月18日、全国46番目の地方本部として結成された。しかし、同胞数の減少により06年の第59回定期中央委員会で連絡事務所に改編、中央本部が直轄していた。その後、韓国人観光客が急増、在住同胞と観光客への便宜供与が必要不可欠になったことから支部設立となった。12月20日に懸板式と開所式を持った。 |
(2018.12.26 民団新聞) |