掲載日 : [2019-01-17] 照会数 : 16771
希望の未来へ巣立つ…民団各地で新成人の門出激励 オリニ事業出身者も
[ 礼節作法を学んだ東京の新成人 ] [ 晴れやかな笑顔で「カンパーイ」(東京荒川支部の成人式) ] [ 決意を述べる鄭世洋氏(埼玉) ] [ 京都の成人式で ] [ 宮城本部の成人式 ]
「成人の日」を前に各地の民団が在日同胞新成人の門出を祝った。少子化で新成人の対象者は減少しているが、次世代育成を目指して式典の充実に力を入れている。13日、駐日韓国大使館での「在日韓国人成人式」(民団東京本部・駐日韓国大使館共催)には新成人30人が参加した。主催者側が在日としての誇りを胸に、韓日間の懸け橋となって地域社会にも貢献できる人材になってほしいと期待を寄せたのに対し、新成人は大きな夢と希望を胸にチャレンジしていきたいと応えた。参加者の多くは民団のオリニ事業から育った人材だ。
次世代担う民団新成人…大使館と共催で式典
礼節作法学ぶ
東京・港区の駐日韓国大使館大講堂には13日、新成人30人(男性17、女性13)が参加した。民団東京本部(金秀吉団長)と駐日韓国大使館の共催。主催者を代表して金団長は「先輩の歴史を知り、後世に伝えていくことが恩返しになる」とはなむけの言葉を贈った。
安徳祐さん(中央大学法学部1年)は東京韓国学校中等部在学中にカナダのバンクーバーに留学した。将来はメディアを志望。「語学力に磨きをかけて韓日関係に貢献したい」と抱負を語った。
李裕海さんはお母さんが若いころ成人式にも着用した韓服を譲り受けた。韓国への語学留学を終え、4月からはエアラインの専門学校に進む。
式典後、韓国茶礼道研究家の李瑛子さん(東京茶礼房房主)から普段のあいさつ「ピョンジョル(平節)」と冠婚葬祭など特別な時に行う「クンジョル(大礼節)」の作法を学んだ。
青年会に参加へ
民団東京・荒川支部(秦富澤支団長)は12日、荒川区内の「サンパール荒川」で新年会とあわせて新成人6人を祝賀した。
秦支団長が「青年会にも積極的に参加して未来の民団を担ってほしい」と激励し、一人ひとりに記念品を手渡した。
新成人を代表して肥後(鄭)玲香さんが「韓国人としての誇りを持ちながら未来の在日同胞社会を担っていく。青年会や学生会などにも積極参加して同世代の仲間とのネットワークを広げたい」と決意を披露した。
功労者の孫も
【埼玉】民団埼玉本部(田虓玔団長)は12日、埼玉韓国会館で新成人3人の門出を祝福した。
鄭世洋さん(日大理工学部建築学科)は鄭平晋同本部常任顧問の孫で民団東京本部団長を務めた鄭興守氏のひ孫。幼少時からオリニ行事に参加してきた。将来は建築家をめざす。また、許未来さん(帝京大学文学部史学科)もハラボジが県北支部創立当時の功労者。黄莉奈さん(大東文化大学外語学部英語学科)は将来は語学を生かせる方面での活躍を夢見ている。田団長は「なにごともチャレンジが大事。結果として失敗してもいい。ただし、チャレンジしなかったことで後悔することがないように」と訓示した。
対象者拡大へ
【大阪】民団大阪本部(呉龍浩団長)の成人式は13日、大阪韓国人会館に72人が参加した。
呉団長は「韓国と日本の2つの文化をもって生まれたことは多いなるチャンスだ。在日の誇りを持って夢に向かって歩んでください」とエールを送った。
新成人を代表して文千受さん(兵庫県立大学2回生)が「韓国と日本の友好促進の懸け橋として活躍できる成人になり、先輩たちと共に大きな夢と希望をもってまい進していきます」と謝辞を述べた。
成人式の参加者は年々減少している。同本部では来年から新定住者も対象にするなどさまざまな方法を模索しながら次世代育成につなげていくことにしている。
青年会主管で
【兵庫】民団兵庫本部(李圭燮団長)の成人式は12日、青年会兵庫本部(文英壽会長)が主管して同本部会館で開催した。参加者は5人と例年よリ少なかったが、そのぶんすぐ打ち解け、笑顔の絶えない1日となった。
6人に祝賀状
【京都】民団京都本部(金政弘団長)は13日、京都市内のホテルで新成人6人に祝賀状と記念品を手渡した。代表して金奈奈美さんが「両親と先輩たちに改めて感謝し、在日という民族意識を持って社会に貢献できるたくましい成人になるよう頑張ります」と日本語で決意を述べた。
韓日の懸け橋に
【福岡】民団福岡本部(李相鎬団長)は12日、博多八仙閣本店で新成人5人を激励した。
李団長は「韓日の懸け橋になってください」と呼びかけた。新成人からは「韓日両国をつなぐために先頭に立つ存在になる」との決意表明があった。
(2019.01.16 民団新聞)