掲載日 : [2004-02-18] 照会数 : 5614
「歴史伝える運動」継続へ 青年会中央大会(04.2.18)
[ 青年会の第25回定期中央大会 ]
歴史写真収集活動…内容充実化へ意欲
在日韓国青年会は14、15の両日、東京・南麻布の韓国中央会館で第25回定期中央大会を開き、00年から全国展開してきた「歴史を伝える運動」を継続する方針を決め、今期も写真資料の収集活動を精力的に展開する。また、たび重なる政治家などの歴史をわい曲した妄言などに対応して「教科書問題対策委員会」を設置し、幅広い歴史認識の啓蒙に役立てる。
青年会は、会員がすでに3世世代が中心となっており、1世が渡日した解放前の状況や解放後の在日同胞の生活、日本に定住していく中での生活基盤の確立などの歴史を体系だって知らない世代が増えていた。このような中で、在日同胞として正しい共通の歴史認識を持ち、そしてその歴史を後世に伝えるようと「われわれの歴史を伝える運動」を00年からスタートさせた。
全国を巡回するキャラバンと地元青年会が一体となり、400人あまりの1世世代から渡日から現在に至るまでの生活史を聞き取り調査した。その結果は現在、中間報告としてある程度まとめられているが、本格的な資料とするために昨年からは写真資料の収集を展開してきた。
昨年度も全国巡回しながら写真を収集したが、すでに解放後60年近くなろうとする中で、残された写真も多くはなく、今年度は、よりきめの細かい訪問活動を通じて良質な写真を収集することにした。
青年会では、今年度の写真収集の状況を見ながら、聞き取り調査とあわせて最終的な在日同胞の生活史の発刊にこぎ着けたい考えだ。
また、これまでに収集した写真は、活動の成果報告とより多くの同胞への写真提供の呼びかけもかねて、各地方でパネル展示を実施していくことも計画している。
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「教科書対策委」設置…歴史歪曲防止図る
一方、3年前に問題となった日本の植民地支配を正当化するかのような歴史教科書と著名人や政治家による歴史をわい曲した妄言がたび重なる状況に対応しようと、「教科書問題対策委員会」を設置することを決めた。
これは、誤った歴史認識がまん延する状況に歯止めをかけると同時に、在日同胞の3世以降に正しい韓日間の歴史認識を養ってもらうためのもの。委員会では、情報収集や日本の市民団体との連携をつうじて幅広く正しい歴史認識の広がりに向けて活動する。
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29日に緊急集会
活動の第一段として、29日に「教科書問題対策に関する緊急集会」を東京・南麻布の韓国中央会館で開く。集会では教科書問題の経緯や今後の活動の方向性を探る。
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壽隆会長を再選
任期満了に伴う役員改選では、壽隆会長が満場一致で再選された。副会長には李恭孝、徐明花、康孔鮮の3氏が就任した。また、代表監査には孫敏広氏が新たに選出された。
(2004.2.18 民団新聞)