掲載日 : [2019-06-26] 照会数 : 7200
在日法曹フォーラム 三重で出張セミナー
[ 殷勇基弁護士による講義 ]
身近な法律問題解説
【三重】在日韓国人法曹フォーラム(李宇海会長)は22日、「法律・人権セミナーイン三重」を民団桑名支部会館で開催。各国の国籍制度、特に複数国籍制度について(殷勇基弁護士)、在日同胞の親族・相続関係を巡る法律問題(金喜朝弁護士)、ヘイトスピーチを巡る現状と条例制定のの動きについて(趙學植弁護士)の三つの講義を行った。
主催者の李会長は「相続の問題で韓国にある財産の処理などは、在日の弁護士でないと難しいこともある。国籍の問題やヘイトスピーチの問題など併せ学んでほしい」と呼びかけた。三重本部の殷慶基団長からは「相続の問題など、現実問題としていろいろ勉強させてもらう」とあいさつがあった。
殷弁護士は「現在、在日の結婚が10組中9組が国際結婚だ。その両親から生まれてくる二重国籍の子どもは18~20歳の間に国籍を選ばなければならない。特に男子の場合、兵役の問題から17歳までに決めなければならない」と説明すると、参加者から「兵役のことは全然考えてなかった」といった声が聞かれた。
また、金弁護士は相続問題について、本来亡くなった人が韓国籍の場合、韓国民法が適用されるが、相続手続きを日本法で適用してほしいといった遺言を作成することで、準拠法(韓国民法と日本民法のどちらが適用されるのか)を日本法にすることができ、紛争(家族同士)の予防にもなると強調した。民団三重本部、各支部、婦人会ら60人が参加した。
(2019.06.26 民団新聞)