掲載日 : [2019-12-04] 照会数 : 9434
宮城本部が集中戸別訪問…新定住者との面談も多数
[ 多くの新規定住者との面談を実現した ]
震災後の状況把握も
民団宮城本部(金政郁団長)は11月25日から「ネットワークを作ろう!戸別訪問運動」を展開した。金団長をはじめ同本部3機関長と幹部14人に中央から李清鍵組織局長ら5人が加勢して、27日までの3日間、延べ33人で197世帯を訪問し99件の団員と面談が実現した。
宮城本部の戸別訪問は先日の愛知県・一宮支部に続く集中活動だが、同本部では在日同胞リーダー育成スクールを皮切りに幹部研修を重ね、意思統一を図ってきた。
戸別訪問開始を前にした24日には活動者が集まり「組織活性化会議」を開き、組織の現状把握と今回の戸別訪問の意義などを確認した。
金団長は「昨年の戸別訪問では意外な出会いがあったことなど記憶に新しい。中央本部の応援とアドバイスを受けながら、一丸となってやっていきたい」と意気込みを見せた。李京子議長は「長い間、婦人会に携わってきたが、戸別訪問の経験は皆無なので一生懸命頑張る」と決意表明。
宮城本部では2011年の東日本大震災時に、同胞宅のほぼ全世帯を訪問し安否確認や救援物資の配布、炊き出しなどを展開し、三陸海岸周辺の養殖業を営む日本人男性に韓国から嫁いできた新定住同胞を中心に新たな団員発掘につながった。
今回は当時に訪問した同胞の近況を把握することも兼ね、仙台市内だけでなく女川、気仙沼、石巻などの三陸地区も訪問対象に加えた。
活動体制は5チームに分かれ、車輌5台で構成。チーム構成も日替わり。中央本部のメンバーが滞在していた27日に行われた中間報告会では様々な成果が報告された。
日本に嫁いで来た新規定住者との面談では「自殺まで考えた」という女性や、震災による仮設住宅暮らしで苦労したが、4年前にようやく自宅を新築し、安堵を語る女性もいた。
仙台市内に息子と2人暮しの済州道出身のハルモニ(80代)は神戸から来て22年。周囲に韓国人がいなくて寂しいと嘆いていたが、活動者らが韓国語で話しかけるとなごむように笑顔を見せた。
保育所に勤める新定住者の女性は、調理師免許を取得し非正規雇用で働いているが、来年の「会計年度任用職員」制導入でどう扱いが変わるのか不安をもらした。民団が調査することを約束すると、その場で団費を納めてくれたという。
金団長自ら、本部から4時間をかけて訪問した気仙沼の同胞宅5件では全世帯との面談が実現した。同地区は震災時、最も被害が大きかった地帯で、震災当時もしっかり安否確認と救援物資を配布した。「民団から来た」と言うと、どの世帯も温かく迎えてくれた。また、団員経営の韓国料理店で働く女性も新規定住同胞で、民団加入を快く受けてくれた。同本部の集中活動は当初、中央本部のメンバーが滞在の27日までを予定していたが、その後も継続し、今月中旬まで実施する計画だ。
(2019.12.04 民団新聞)