掲載日 : [2019-12-14] 照会数 : 6148
「北送」60年を考える…京都本部で特別講演会
[ 約100人が熱心に聴き入った特別講演会 ]
【京都】12月14日の「北送船」第1船出港から60年を前にした11月30日、民団京都本部(金政弘団長)では本部会館ホールでコリア国際研究所の朴斗鎮所長を講師に招き特別講演会を開催した。県下民団幹部ら約100人が参加した。
講演の冒頭、金団長は「ソウルで開かれた世界韓人大会で、ある地方団長が中学生のころ、母親に北に行こうと言われたが拒否したという話を聞いた。あの時、北に渡っていたらと思うと背筋が凍った。今日の講演会を機に北送の歴史をしっかりと記憶したい」述べた。
第1部は「北送とは何だったのか」をテーマにした。朴所長は北送の本質、北韓の狙い、責任の所在を順に説明。北送は北韓の国家的詐欺であり、社会の底辺で差別と貧困に喘ぐ在日同胞は、朝総連の「地上の楽園」という口車や、日本政府と赤十字、マスコミ等に背中を押されたと説明した。
北韓は①社会主義建設強化②南側での北韓支持勢力拡大③国際支持勢力増大…という「3大革命力量強化方針」のひとつとして「北送」を推進したもので、労働党の政策の中でも成功事例だし、「北送」犯罪の主犯は「運動」を推進した朝鮮労働党と朝総連だが、日本政府は国益の観点からこの「詐欺事業」に加担し、政党や諸団体と報道機関が加担しており、当然、道義的な責任はあることを強調した。
「北韓社会の実情」と題した第2部では北に行った実姉や友人、脱北者の実例を紹介しながら、悲惨な北送同胞の実情を説明した。
(2019.12.13 民団新聞)