掲載日 : [2004-05-12] 照会数 : 4893
韓・日・英3カ国語共通教材作成(04.5.12)
韓・日 中高生の相互理解へ…両国の英語教師
食べ物、結婚など12テーマ
【大阪】韓国と日本の中高校で教壇に立つ英語教師が両国の中高生向けに共同で副教材を作成した。テーマは食べ物やポップス、学校生活、結婚など中高生にとって身近なものばかり12項目。両国の違いや共通点を3カ国語で記述してある。韓・日の青少年が相互理解を深めるのに役立ちそうだ。
内容はいま現在の韓国と日本の文化に照準を合わせた。「食べ物」では伝統文化とのフュージョン(融合)の視点で韓国のキムチバーガーと日本のテリヤキバーガーを採り上げた。「結婚」の項では韓国の都市部で旧来の伝統にとらわれないカジュアルな結婚式や披露宴が増えていることを紹介、日本とは違ってお祝いしたい人は誰でも招待状なしで出席できると説明している。
作成したのは大阪府を中心に全国各地の現役英語教師ら約70人でつくるNPO法人、e―dream―s(イー・ドリームズ、代表理事・辻荘一大阪府立吹田高校教諭)と同メンバーが留学先で知り合った韓国国内の英語教師7人。
2年前から事前にテーマと大まかな内容を決め昨年8月、江原道で実施した研修会で事実関係や教材としてふさわしいかを3日間にわたり英語で議論。議論に基づいて双方の教師でまずひな形となる英語版をつくり、日本語は日本の英語教師、韓国語は韓国の英語教師がそれぞれ翻訳した。
辻教諭は「英語教師ならではの国際貢献をしたいと考えた。教師自ら作った教材だけに、生徒たちの授業に伝わるものがあるのでは」と話している。
タイトルは日韓相互理解教材『A Rainbow Over The Strait(海峡にかける虹)』(A4版、120㌻立て)。イー・ドリームズから4月30日に出版された。
非売品で初版2000部。「総合的な学習の時間」のテキストとしての活用を期待しているという。
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「歴史」追加、改訂へ
イー・ドリームズのメンバーは今夏も訪韓、韓・日の歴史的な関わりやいま現在のソウル市民の生活をテーマにフィールドワークを行い、韓国の教師と共にソウル紹介のDVDを作成する。
また、来年度は韓国の教師を日本に迎えて、豊臣秀吉の築城した大阪城、および鶴橋界隈とそこに住む在日韓国人などを含むDVDを作成する計画だ。
さらに今後の冊子改定版には独島(竹島)のほか豊臣秀吉の侵略、日本の植民地統治など歴史問題を追加していく方向で韓国側教師と話し合う。辻教諭は「韓国と日本の歴史問題についても本音で話し合い、未来の新しい韓日関係を作るきっかけにしたい」と話している。
(2004.5.12 民団新聞)