掲載日 : [2004-08-15] 照会数 : 5271
「つくる会」の歪んだ教科書採択阻止へ アジア蔑視許さず(04.8.15)
[ 都立白鷗高校での採択阻止を訴えて上野駅前で署名を呼びかけるメンバー ]
署名1万7千筆を提出…青年会加盟の「東京ネット」
来春開校の都立中高一貫校での「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書採択を阻止するため市民団体「東京ネットワーク」(吉田好一代表)は6日、「新しい歴史教科書をつくる会」が編さんした扶桑社の歴史教科書を採択しないよう求める署名1万7869筆を東京都教育委員会の清水司委員長にあてて提出した。
署名は「東京ネット」を代表して「都立高校のいまを考える会」の三浦久美子さんと在日韓国青年会の金宗洙さんが、教育庁教育課の桐山靖彦課長に手渡した。
金さんは桐山氏に対し、「都立中高一貫校で『つくる会』教科書を採択しないよう東京都教育委員会の委員の方々に伝えてほしい」と述べた。桐山氏はその旨を伝えると応えた。
また、同ネットのメンバーは「教科書採択の権限を持つ横山教育長が休暇をとったとはいえ、公務員であるにもかかわらず、特定の教科書の採択を推進する集会に出て発言をしたのは問題だ。しかも政治活動にあたり違法行為なのではないか」と激しく非難した。
同ネットは署名提出に先立ち同日午前、都庁で記者会見した。
在日韓国青年会からも3人が出席し、「一番損しているのは日本の国民たちではないだろうか。なぜいま中国人に日本の無実な人びとが嫌われているのか考えてみてほしい。それは本当の歴史をひたかくしにする一部の権力者のせいではないだろうか」と述べた。
6日提出された1万7869筆もの署名は、各市民団体の活動や同ネットによる街頭宣伝活動などによって集められた。
同ネットは先月31日にも40人余りが上野駅前で署名活動を行った。参加者は「『つくる会』教科書は韓国や中国を蔑視した論調で書かれており、アジア侵略を正当化している。これでは植民地支配を受けた人々の苦しみを理解できない」などと呼びかけ、通行人に署名を呼びかけた。一般市民の教科書採択への関心は高く、約1時間の活動で300を超す署名が集まった。
(2004.8.15 民団新聞)