掲載日 : [2004-08-18] 照会数 : 6129
児童書など5千冊「図書館」無料開放 文晟二民団南大阪支団長(04.8.18)
[ 「文福館」で読書を楽しむ児童 ]
【大阪】民団大阪・南大阪支部の文晟二支団長=西成区北津守3丁目=が自宅前ガレージを図書館に改装し、地域住民に無料で開放している。
ガレージの広さは約150平方㍍。児童書やコミック、文学、小説など様々なジャンルの約5000冊の蔵書が本棚に整然と並んでいる。3月27日のオープン以来、土・日の2日間に限っての開放のため、1回の利用者数は決して多いとはいえない。それでもジュースとおやつ付きとあって特に子どもたちに喜ばれている。親子連れの姿も目立つ。
文さんは幼いころ、亡父の福同さんに「本を読め、勉強しろ」と口癖のようにいわれながら育った。一時、これには反発した時期もあった。
長じてフランスの哲学者・レヴィナスの著書に書かれていた「他者のために生きて死ぬ」との言葉を見つけ、「アボジが残してくれた言葉どおり本にはたくさん学ぶところがある」と目覚めた。「本は子どもたちの身近な存在として、必ず役に立つ」と、亡父の遺産でもある蔵書の開放に踏み切った。私設図書館は亡父の名前にちなんで「文福館」と命名した。
読書コンクールの課題図書など、子ども向けの本を中心に蔵書は少しずつ増やしている。文さんは「1人でも多くの子どもたちに本のすばらしさを伝えたい」と話している。
(2004.8.18 民団新聞)