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本部・支部 内容
掲載日 : [2002-10-30] 照会数 : 3799
石高健次(朝日放送報道プロデューサー)
拉致事件とメディア
10月15日、拉致被害者5人が帰国して以降、その一挙手一投足を伝えるマスコミのメディアスクラム(過熱報道)が続いている。これを見てやや複雑な気持ちになった。
97年、横田めぐみさん拉致を発掘、報じた私は、その2年前、原敕晁さんを拉致した辛光洙の共犯(在日朝鮮人)に直撃インタビューしていた。彼は「原さんには気の毒なことをした」と路上で号泣して拉致を認めた。それを含め原さんや有本恵子さんら13人が北朝鮮に拉致されているのは間違いないとのTVドキュメンタリーを放送した。
さらに『金正日の拉致指令』という本にまとめたが、他のメディアはまったく後追い取材せず、黙殺された。世論が盛り上がらなかった結果、政府は被害者救出に動かなかった。
そして今、メディアの多くは帰国した被害者の「喜びの再会」や「故郷での一日」を軸にややお祭り騒ぎ的に伝えている。
ちょっと待ってくれ、と言いたい。「8人死亡」と北が通知した内容は、うち7人の墓が洪水で流されているなど、デタラメだ。つまり、生きているが表に出せば(秘密がばれるなどの理由で)死んだことにしている可能性が高い。その真相を究明しなければ、今度は本当に殺されてしまうだろう。メディアは亡命工作員やモスクワ・北京ルートなど、あらゆるチャンネルから新事実の発掘を試みるべきだ。そこから8人や、さらには41人といわれる埋もれた拉致被害者の救出につなげねばならない。
20数年間、拉致被害者を放置してきた政府を救出に動かせたメディアの原点に再び立ち返って欲しい。
(2002.10.30 民団新聞)
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番号
タイトル
掲載日
30
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萩原遼(ノンフィクション作家)
2002-07-17
1
前田憲二(映画監督)
2002-07-03
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