掲載日 : [2004-11-17] 照会数 : 5034
<婦人会山口支部>プルタブ、缶回収 施設に車いす寄贈(04.11.17)
[ 秋元館長と握手を交わす金会長(右) ]
コツコツ5年がかり…汗水流して労働奉仕
共生社会実現へ地域貢献
【山口】婦人会山口支部(金丁順会長)は5年間、コツコツとジュースやビールなどのアルミ缶の開け口に付いているプルタブやアルミ缶そのものの収集を続け、その売却資金で車いす5台を購入して山口市内の社会福祉センター「しらさぎ会館」に寄贈した。
プルタブは1㌔溶かして約600㌘の純度の高いアルミが抽出できる。業者に持ち込んでも換金率はキロ90円から100円前後。婦人会山口支部によれば、数人の会員が1日中駆けずり回ってもせいぜい5㌔程度しか集まらなかったという。
金会長は「町内のゴミ収集日には朝から出かけ、3人がかりで3時間半から4時間も座りっぱなし。夏は暑いし、なによりも腰が痛くてならなかった」と収集にまつわる苦労を振り返る。
あまりに効率が悪いので、1年前からはプルトップと合わせ、アルミ缶そのものも回収するようになった。集めたプルタブやアルミ缶を洗剤で洗い、乾かし、金会長の会社倉庫に保管して2回に分けて換金した。
最終的には12万3000円余りが集まった。正価では2,3台しか買えないところだが、婦人会の意気に感じたメーカーがディスカウントして自操式4台、介助式1台の計5台を譲ってくれた。これらの車椅子は8日、山口市役所から紹介された社会福祉センター「しらさぎ会館」(秋元昭二館長)に贈られた。
「しらさぎ会館」は山口市堂の前にある心身障害者(児)の自力更正と社会参加を促進するための在宅障害者拠点施設。同会館は現在使用中の車いすが老朽化していただけに婦人会からの寄贈には大喜びだった。
プルタブの収集活動は、支部の副会長を務める李允桃さんの「共生社会実現のため、自分たちの住む山口市のために何かできることをしよう」と呼びかけたのがきっかけ。婦人会支部の会員24世帯のうち約半数が活動に取り組んできた。
金会長は「お金だけなら篤志家に頼めば済むこと。それより私たちが汗を流してせっせと集めたお金だからこそ価値があるのでは」と話している。
苦楽を共にしてきた会員らも、ぴかぴかの車いすに刻印された婦人会山口支部のネームを見やりながら「こうして寄贈の日を迎えると腰の痛さも忘れてしまいます」と語り合っていた。
(2004.11.17 民団新聞)