掲載日 : [2004-12-08] 照会数 : 4596
「共生社会へ法制定を」 在日外国人の人権シンポ(04.12.8)
【岡山】人権週間が始まった4日、岡山本部(許東郁団長)主催の在日外国人の人権を考えるシンポジウムが、岡山市の助成を受け岡山大創立50周年記念館で開催された。
シンポでは、丹羽雅雄弁護士が「他民族・多文化の共生する社会の条件は何か」と題した基調講演で在日に対する排除と管理の構造を指摘した。続いて福山市の外国人相談員の田中真佐子さんが現場レポートで、日本人配偶者からのDV(ドメスティックバイオレンス)を例に挙げ、「情報から遮断され孤立している外国人を自治体が積極的に支援することが重要だ」と訴えた。
パネルディスカッションでは、恵泉女子学園の内海愛子教授が、BC級戦犯の旧植民地出身の兵士・軍属への賠償などをはじめ、日本の戦後補償について報告した。
また、龍谷大学の田中宏教授は、韓国の住民投票法制定と日本各地で行われている住民投票に言及、「外国人住民が投票していない住民投票は国民投票と同じだ」と指摘し、在外公館で母国の国政選挙に投票し、生活している自治体では住民として地方選挙に投票できるシステムづくりが必要と強調した。丹羽弁護士も「民族的アイデンティティーを尊重し、それぞれの違いを認め合う社会をつくるためにも外国人の人権を守る法律の制定が必要」と述べた。
会場には岡山県下同胞をはじめ市民団体、各大学教員や学生ら300余人が参加し、真剣に聞き入っていた。
(2004.12.8 民団新聞)