掲載日 : [2005-02-16] 照会数 : 6831
悩める消費税対策 きょうから確定申告受付(05.2.16)
[ 税務相談に応じる李明守税理士(10日、民団小倉支部) ]
3千万→1千万円に上限額引下げ
同胞事業者を直撃
「個人」の納付は来年
04年度の所得税確定申告がきょう16日から始まるのに合わせて、同胞の各商工会議所(韓商)では確定申告申込の受付や税務相談を開催する。今回から消費税の中小事業者に対する特例措置が見直され、課税売上高の上限が現行の3000万円から1000万円に引き下げられるので早めの対応が必要だ。
確定申告は3月15日まで実施されるが、韓商の場合、2月後半から3月初めにかけて申込受付や税務相談を開催するところが多い。
民団千葉支部は18日に数人の税理士と相談しながら確定申告を行う。神奈川韓商は17、22、25の3日間、3支部を巡回し、埼玉韓商も17日から3月4日まで5支部を巡回する。京都韓商は21〜24日、3月2・3日に全会員を対象に実施する。愛知韓商は18回にわたり県下の支部を巡回する。
今回の申告で注意を要するのは、消費税法の一部改正により事業者免税点制度の課税売上高上限が1000万円に引き下げられた点だ。つまり、年間で1000万円以上の売り上げがある事業者は、消費税が課税される売上金額について納税しなければならない。法人については05年3月決算分から適用されるが、個人事業者の場合は05年分からで申告・納付は来年の3月末まで。
韓商で申告する事業者は小規模経営が多いので、消費税免税点1000万円以上に該当するケースはかなりの数にのぼると推測されている。
所得税が赤字の場合、税金はかからないが、消費税の場合は赤字でも売上額そのものにかかるので事業者の負担になり、事前の準備を欠かせない。
事業者は原則課税と簡易課税のいずれかを選択しなければならず、どちらが有利かは事業内容によって異なる。05年以後に初めて納税義務が生じる場合には、簡易課税制度の届出期限はその生じる年分の年末までである。
納税義務が生じる年分かどうかは、各年ごとに判定される。05年分売上が900万円でも2年前の03年分が1100万円と1000万円を超せば05年分の納税義務が生じる。逆に、06年分が1100万円でも、04年分が900万円ならば06年分は納税額ゼロとなる。
本紙の「同胞税務相談」を担当している李明守税理士は、「個人事業者の申告は来年からといっても、消費税法に基づく帳簿の記載や請求・領収書などの保存は05年1月から必要とされるので、今から準備を進めなければならない」とし、「簡易課税が必ずしも有利であるとは限らない。簡易課税だと帳簿等の保存義務がないと誤解する事業者がいるが、帳簿や請求書などがないと所得税や法人税の経費が認められなくなることを忘れてはならない」とアドバイスする。
さまざまなケースがあるので、韓商専属の税理士などからアドバイスを受けるようにしたい。確定申告についての問い合わせ・相談は最寄りの韓商や民団事務所まで。
(2005.2.16 民団新聞)