掲載日 : [2005-05-11] 照会数 : 7974
韓日友情の新たな旗手…韓流のホープ ジェヒ(05.05.11)
[ 「声援して下さる在日同胞の皆さんとの結びつきを強めたい」と話すジェヒ ]![](../old/upload/428157639b6ae.jpg)
在日に関心強くさわやかに高い演技力
初めて民団中央本部を訪れた昨年末、ジェヒ(25)は「在日の『在』によろこびの『喜』と書きます」と自己紹介した。在日同胞や民団について語ることが多いという彼は、日本で人気沸騰中の韓流スターとは一味違う。韓国ですでに人気俳優の地歩を固めた彼に、「在日同胞と日本人社会をよく知る、韓日文化交流の新たな旗手に育って欲しい」とのラブコールが熱い。
「未熟な私に分に過ぎる声援をおくって下さって光栄です。在日同胞みなさんの期待を裏切る演技者には決してなりません」。これは初来日した時のジェヒの言葉だ。堅苦しいともいえるこの誓いが、4月下旬に再び来日した際には、「私にとって同胞の多い日本は、幸運をもたらした国といえるかも知れません」との素直な喜びに変わった。
それには十分なわけがあった。彼は昨年、ベネチア国際映画祭で主演作の『空き家』が最優秀監督賞を受賞したのに続き、青龍映画祭で新人男優賞に輝いていたものの、日本では無名の存在だった。その彼が、民団中央を表敬訪問した際に積極的な後援を約束されたばかりではない。団員たちが中心になって結成した後援会が、歓迎会を開いてくれたのだ。その後、TVドラマ『快傑春香』で35%の高視聴率をマーク、さらに80%の支持を得て共演の韓チェヨンとともにベスト・カップルに選ばれるなど、若い女性から圧倒的な支持を獲得するに至った。
今回の来日は、『空き家』と『怪傑春香』が今夏、日本で相次ぎ放映されるのに合わせて、プロモーション用の写真集を制作するためだ。3泊4日の短い日程にもかかわらず、「在日同胞のみなさんに挨拶しなければ」と、民団中央への表敬訪問を欠かさなかった。「韓国人特有の誠実さを失わずに、一生懸命に頑張ってみなさんの期待に応えたい」と語るジェヒに、金宰淑団長は「在日に関心を持ってくれるとは嬉しい。日本での活動を楽しみにしている。在日の力を合わせて応援したい」と激励した。
『空き家』ではセリフが一言もなく、眼の光だけで怒りや愛などすべての感情を表現したジェヒ。「目が気に入っていた」と語る金ギドク監督は、監督賞受賞理由のひとつに、「キャスティングがよかった」ことをあげたほど。天性の演技力とモチベーションの高さで、いっそうの成長が期待されている。
後援会長の北川育子さんは「レベルの高い演技力で無限の可能性をもつ。容姿だけでなく心根も爽やか。青春真っ盛りの彼を応援できることは喜びだ」と語る。後援会中心メンバーの一人、民団中央の呂健二副団長は「歴史を創るのは農作業のようなものだという。高い山を仰ぐばかりでなく、谷間や湿地を切り開いて種を播かなくてはならない。ジェヒを応援することで、真の韓日友情の種をもう一粒まければ」と力説した。
日本を席巻したこれまでの韓流は、在日同胞や日本人が育てたものではない。アジア諸国、とくに中華文化圏が花開かせたものだ。韓日・日韓友情年の今年、ジェヒという極上の素材を、在日同胞と日本人のネットワークで新たな韓流スターに育てたいものだ。
高いプロ意識
同行通訳した民団総務局・林裕美さんの話 プロ意識の高さには驚きました。日本語はなんとなく勘で分かると話していましたが、カットを重ねるにつれカメラマンとの息もぴったり。撮影の間は通訳が必要ないほどでした。周囲を気遣う優しい青年ですが、「モチベーションは高く、これから自分を出していけば凄くよくなる」と日本人スタッフから高く評価されていました。
(2005.05.11 民団新聞)