掲載日 : [2005-05-18] 照会数 : 5748
市民健診に「在日枠」(05.05.18)
市民健診に「在日枠」生野区…民団と総連の協力で
【大阪】大阪市生野区は今年度、在日同胞を主な対象とした市民健康診査(市民健診)を実施する。市民健診は近隣の小学校管内で受診することになっているが、在日同胞に限って受診率が低いため、今年初めて地元の民団と総連のための特別枠を設けた。これは区が地元の同胞団体と進めている協働作業の一環だ。全国的にも珍しい。
市民健診は高血圧症、心臓病、脳卒中、がんなどの生活習慣病の未然予防を目的とするもの。特別な検査を除き費用は無料。生野区は毎年、4月から12月にかけて区内の公立小学校20カ所を巡回しながら行っている。
平均的な受診率は8割に上る。だが、在日同胞に限っては3%台と格段に低い。これには様々な要因が指摘されている。一つは外国人登録証を持参しなければならないという煩わしさに加えて、行政に対する根強い不信感があること。識字の関係で広報が十分に行きわたらないこと。日々、仕事に追われている点などだ。
3月まで生野区役所保健福祉センターに勤務していた新森孝男さん(現在、平野区役所加美出張所所長)は生野区と囲碁交流を通じて親交のあった文熙元さん(民団生野東支部支団長、コリア囲碁協会会長)に相談を持ちかけた。文さんは生野4支部の幹事として他の3支部との調整役を果たし、地元の総連支部と行政との橋渡しもした。この結果初の協働健診が実現することになった。
文支団長は「囲碁交流を通じて生野4支部と区役所との間で密接な関係を築けたのが大きい」と喜んでいる。
健診は8月24日午後2時から3時半までが御幸森小学校。6月12日には大阪朝鮮学園生野朝鮮初級学校でも午前中9時半から11時まで行われる。民団、総連の枠を超えてどちらでも受診できる。問い合わせは生野区内の民団と総連の各支部、および℡06・6715・9882生野区役所支援運営課へ。両会場とも会場で世話にあたる在日同胞ボランティアを募集している。
(2005.05.18 民団新聞)