掲載日 : [2005-05-25] 照会数 : 6030
夢は世界チャンプ…東京韓学の藤田君(小1)(05.05.25)
[ 「社会的弱者の味方になって」と藤田君(左)に夢を託すお母さん ]
中学は韓国にテコンドー留学
「弱者の痛みを分かち合う差別のない社会づくりに、この子が少しでも活躍できればと思います」。
息子にヨシヤ(イスラエル民族をエジプトの奴隷生活から脱出させた指導者)と名付けるほど篤実なクリスチャンで、世田谷区役所の福祉部公務員だった藤田加織さん(46)。世界的なテコンドー選手になって、社会的な弱者の味方になって欲しいという夢をヨシヤ君(6)に託している。
自分と夫が日本人でありながら今年、東京韓国学校初等部に入学させたのは、その夢の実現への第一歩である。3歳の時からテコンドーを習い始めたヨシヤ君に韓国語を身につけさせ、中学校は本場韓国にテコンドー留学させる計画があるからだ。
「日本は経済先進国であるにもかかわらず、在日問題をはじめ、アイヌ、部落差別などがいまだに存在する。日本が本当の先進国になるには、二重性を排して差別のない社会を目指さなければならない」と常々思ってきた藤田さんは、ホームレスや障害者に対するボランティアにも熱心に取り組んできた。
在日同胞との交流が多かった彼女が尊敬する人物は、李進熙・和光大名誉教授とソフトバンクの孫正義さん。特に自分の子ども時代のことを語りながら涙した孫さんには感銘を受けたという。人間が人間の名前を奪い、名誉を、職業を、信仰を奪う権利はないと強調する。
世界市民化を目指す東京韓国学校の教育方針に共鳴する藤田さんは、韓国語を楽しく学びながら韓国に興味を持ち、明るく生活するヨシヤ君に満足している。障害者と再婚した彼女は、子どもができないと思い込んでいた。まさに神からの授かりものだったヨシヤ君が、自分の夢を実現してくれることを堅く信じている。
(2005.05.25 民団新聞)