掲載日 : [2005-06-08] 照会数 : 9052
来月3日に民団がフォーラム…望ましい教科書採択へ
東京で来月3日 識者の分析 軸に
来春から日本の公立中学校で使用される歴史教科書の採択を間近に控え、民団は7月3日、東京・虎ノ門の「ニッショーホール」で「歴史教科書と子どもの未来を考えるフォーラム」を開く。同胞と一般の日本市民が有識者の発表を軸に、韓日関係と東北アジアの将来を見据えながら、より望ましい教科書の採択に取り組むことを確認する。
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民団が教科書問題でフォーラムを開催するのは初めて。滋賀県立大学の姜徳相名誉教授による基調報告の後、日本の韓国植民地支配や従軍慰安婦問題について検証するとともに、「新しい歴史教科書をつくる会」主導の教科書を中心に問題点を明らかにする。京都大学の水野直樹教授や早稲田大学の李成市教授らが報告する予定だ。
また、「歴史を歪曲し、戦争を賛美する」として「つくる会」の教科書に反対する子どもと教科書全国ネット21の俵義文事務局長が、「執筆者及び採択権者の良心へアピール」を行うほか、在日韓国青年会中央本部の壽隆会長が「在日と日本人中学生及び保護者へのメッセージ」を発表する。最後に、「つくる会」教科書の不採択を呼びかける決議文を採択する。
民団では昨年9月から実施した組織活性化90日間運動を起点に、問題教科書の不採択運動を本格的に展開してきた。各地の研修会では、教科書問題への対応を周知徹底したのをはじめ、各教育委員会に対しても「近隣諸国条項」を尊重する教科書の採択を要望してきた。この動きに改めて弾みをつける構えだ。
民団はまた、「心ある日本の方々に 中学校『歴史教科書』の採択に際し、今知ってほしいこと‐共に考えましょう、子どもたちの未来のために」と題したパンフレット(A5版・4色カラー・総24ページ)を3万部作成、近く各教育委員ら関係者に配布する方針だ。また、在日同胞の学者らを中心に進めてきた「在日同胞の歴史教科書」も、完成間近の段階に入っている。
なお、フォーラムは14時から17時まで。参加は自由、無料。問い合わせは文教局、℡03‐3454‐4615。
(2005.06.08 民団新聞)