掲載日 : [2005-06-29] 照会数 : 5866
沖縄戦犠牲者、韓国人新たに3人
「平和の礎」に刻銘
【沖縄】日本で唯一の地上戦が行われた沖縄が23日、敗戦から60年目の「慰霊の日」を迎えた。沖縄戦最後の激戦地となった糸満市摩文仁の平和祈念公園では、公園内の「平和の礎(いしじ)」に今年、新たに在日韓国人2人を含む3人の韓国出身戦没者の名前が刻まれた。
遺族の了承を得て新たに「平和の礎」に名前を刻まれたのは秦英河、金相元、郭泳先の3氏。これで韓半島出身の刻銘者は合わせて426人(韓国344人、北韓82人)になった。
在日韓国人2世の義城綾子さん(68)=京都市在住=は父親の金相元さんを日本陸軍に徴用され、沖縄で亡くした。遺骨はなく、空っぽのきり箱だけが戻ってきた。義城さんは父の名前を指で何度もなぞりながらつぶやいた。「60年間宙に浮いて、さみしい思いをしてきたと思う。ようやく眠れるだろう」と。
「平和の礎」は太平洋戦争・沖縄戦終結から50周年を迎えた95年6月23日に除幕した。沖縄戦で亡くなったすべての犠牲者、内外で戦死した沖縄県出身者の名前が出身県・出身国別に刻まれている。韓半島からも戦時中、沖縄に数千人の軍夫が投入され、多くの犠牲者を出した。
(2005.06.29 民団新聞)